AERA(2018年3月19日)の「朝鮮半島のゆくえルポ」の坂中発言部分

メディア 坂中提案

法務省官僚として名古屋や東京の入国管理局長を歴任、05年に退職後は「一般社団法人移民政策研究所」を立ち上げ、50年間で1千万人の移民を受け入れる日本型移民国家構想を提唱している坂中英徳さんは、さらに踏み込んだ意見だ。

坂中さんが注目するのは、1959年から84年までの帰還事業で北朝鮮に渡った約9万3千人のうち、日本人妻約1800人とその子約5千人、さらに第二次世界大戦後の混乱期に帰国できなかった残留日本人だ。彼らの処遇は日本国籍を有する「邦人保護」と同義であり、有事いかんに関係なく国の責任で受け入れ態勢を万全にすべきと主張する。

昨年4月には、両親が熊本県出身で、ソウル生まれで北朝鮮に暮らす84歳女性が日本の記者団の取材を受け、帰国希望があることを伝えたが、報道は一過性で話題にもほとんどならなかった。坂中さんは言う。

「残留日本人と日本人妻、そして拉致問題は一体で取り組み、一人残らず救出しなけれ ばならない。昨年のこの報道は、北朝鮮が日本に対して話し合いを求めるサインです。 拉致問題の解決も、ここを糸口に模索するべきなのに、安部政権は無視した。残念です ね」

仮に有事となれば、難民として日本を目指すのは、日本人妻と子孫、そして帰還事業で帰った元在日朝鮮人ら、日本に所縁のある人たちだろう。在日韓国・朝鮮人の法的地位向上や就職差別撤廃に取り組んできた異色の法務官僚だった坂中さんの言葉には説得力がある。

「不幸にも有事がきっかけで、日本に難民として来られることになっても、その人たち をぜひ温かく迎えてあげてほしい。必ず日本と北朝鮮の架け橋になってくれるはずで  す」

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