多民族共生教育論試論

坂中提案

大量移民時代を迎えると、小中学校に通う移民の子供が飛躍的に増える。それに伴い、移民の子と机を並べて勉強する小中学生向けの多民族共生教育が重要になる。その場合、多民族共生社会を創るため、幼児教育および初等中等教育のあり方を根本から見直す必要がある。

移民開国をきっかけにして、いま日本の幼稚園、小学校、中学校で行われている「同じタイプの人間」を生み出す画一化教育をただちにやめるべきだ。子供の個性と多様性を重んじる教育に改める。一つの型にはめる教育ではなく、のびのびとしたおおらかな性格の子を育てる教育に力を入れる。

多数派の日本人は少数派の移民の文化を尊重しなければならない。日本が受け入れた移民がその民族的特性を持ち続けられる社会をめざす。そうしないと、せっかく移民を入れても多様性に富んだ社会が形成されないからだ。

日本人の子供と移民の子供が青空の下で天真爛漫に遊ぶ社会をつくるため、「人類は多にして一」という人類社会の本質を子供に教え込む必要がある。移民の子と一緒に学び遊ぶ日本人の子は、異なる民族との交際で日本人であることに目覚める。移民の子とのはだかの付き合いを通して人間は多様なものであることを肌で知る。同時に、人種や民族が異なっても同じ人間であるという人類の本質を理解する。学校で移民の子との異文化交流を体験した日本の児童・生徒・学生は「民族の心」と「寛容の心」をあわせ持つ日本人に成長するだろう。

移民時代に生きる日本人の子供の未来は、外国人とどのような関係を築くかによって決まると言っても過言ではない。

職業柄、多様な国籍の外国人と接してきた経験から言えることは、日本人が外国人と良好な関係を結ぶには、民族の自覚と誇りを持って他の民族と付き合う強い意志が必要だということである。一般論として言えば、自らの文化を誇りに思わない国民は異なる民族から尊敬されない。それどころか、軽蔑されることを忘れてはならない。

すなわち、日本の伝統文化の精髄を教える文化教育と多民族共生教育は一体として行われるべきものである。移民と共生する社会を作るためには、根なし草のような日本人ではなく、「日本人の心」と「地球市民の心」を兼ね備えた日本人の育成が肝要である。そのような心の広い日本人が多数派を形成する社会がすなわち多民族共生社会である。

家庭、学校、職場、地域社会において、地球上に存在するすべての民族を人類同胞として待遇すること、および日本人の真心を守ることの大切さを青少年の心に植えつけるため、啓発活動・国民運動を展開する必要がある。

学校だけでなく家庭でも、地球上には多様な人種・民族が存在すること、すべての人種・民族に優劣はないこと、地球市民の心を持つ日本人は地球文明においてかけがえのない存在であることについて親と子でとことん語り合ってほしい。

移民と共に学んで地球市民に成長する日本の子どもたちに、人類共同体社会を創る夢を託す。いろんな顔の民族と一緒にいるだけで幸せな気持ちになる日本人と、思いやりの心が豊かな日本人を敬愛する移民がともに生きがいを実感する社会である。

 

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