2050年の街の風景

坂中提案

以下は、『入管戦記』(講談社、2005年)の「2050年のユートピア」で描いた「2050年の街の風景」である。

『街の道路標識や店の看板は日本語と英語で表示されている。

街を走るタクシーの運転手はベトナム系やインドネシア系の人、レストランの店員はタイ系やフィリピン系の人、大きなビルやマンションのガードマンはインド系の人が比較的多い。交番のおまわりさんは日本人に次いで中国系の人が多い。このように、移民が最初に就く職業は出身国でだいたい定まっている。

病院には外国出身の医師がおり、英語やタガログ語を話す医師も配置されている。看護師は日本人も少しはいるが、その多くはフィリピン系の人である。フィリピン系の女性は明るい性格で親身になって看護するので評判がいい。

りっぱな建物の老人ホームを多く見かけるが、そこで介護の仕事をしている人も、フィリピン系女性が圧倒的多数を占めている。老人を大切にするフィリピン系の女性から心のこもった世話を受けて、高齢者たちはたいへん感謝している。

2005年、日本政府がフィリピン政府と看護師、介護士を受け入れる協定を結んで以来、着実に入国者が増え、いまでは全国で200万人のフィリピン系の人たちが看護師、介護士として働いている。』

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