2014年2月13日の安倍首相の国会答弁

坂中提案

 2014年2月13日の衆議院予算委員会において安倍晋三首相は古川元久委員(当時は民主党)の「人口減少社会への対応策としての移民の受け入れ」に関する質問に対し、「国民的議論を踏まえて多角的に検討する必要がある」と答弁した。移民政策に消極的だった政府の姿勢を転換する画期的な発言であった。それは世界にも影響が及んだ。ロイター通信が「移民前向き発言」として世界に発信した。

 これは日本の歴史を画する決意表明であった。私は事実上の移民国家宣言であると理解した。移民国家の建国に向けて歴史が動くと直感した。

 安倍首相の答弁要旨は以下のとおりである。いま読み返してみてまったく正しい認識であると思った。口火を切った安倍首相の責任で歴史に残る仕事を成し遂げていただきたい。
〈移民の受け入れは将来の国の形や国民生活全体に関する問題として多角的に検討する必要性を指摘。人口減少が進んだ場合、労働力人口や消費者が減ることになり、成長力にも悪影響が出ることを指摘。アジア・太平洋地域の成長する市場を取り込むことの重要性を指摘。〉

 安倍首相が自ら移民受け入れの国民的議論を呼びかけたことの持つ意味は大きい。さっそく機を見るに敏の霞が関(内閣府)は同年2月24日、「2015年から年間20万人の移民を受け入れ、かつ2・07の出生率の目標を早期に達成し、もって100年後の日本が1億の人口を擁する国を目指す」という国家百年の計を発表した。

 2005年から移民政策に関する議論を国民に呼びかけてきた私の執念が実った。しかしながら、2014年のその時、日本の歴史はじまって以来の1000万人の移民受け入れを提案している以上、国民と政治家の了解を得るのは容易ではないと、前途多難を覚悟した。

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