10年間で50万人の介護移民が必要だ

坂中提案

政府は「2025年の要介護者は755万人。必要な介護職員は今より100万人増の249万人」と予測している。しかし、日本国内で介護人材が枯渇しつつある現状に照らすと、大胆な移民政策をとらないかぎり、大幅な増員の確保はもとより現状維持すら危ぶまれる。

そこでどうしても外国人介護福祉士に頼らざるを得ないという結論になる。それも10年間で50万人規模の「介護移民」の受け入れが必要である。

その場合、まず政府が、介護福祉の労働市場をアジアのびとに開放し、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、ミャンマーなど東南アジア諸国から大量の介護人材を受け入れる方針を決める。

その成否は、それらの諸国の人びとが介護福祉士の国家試験に合格できる日本語レべルに達するよう、入国前と入国後に徹底した日本語教育を実施するかどうかで決まる。そのためには、外国人に迅速かつ正確に日本語を教える日本語教育システムの開発を急がなければならない。特に日本に入国前に、現地で現地の言語で日本語の基礎を教える日本語教育法の導入は待ったなしだ。

次に、入管法を改正し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人を受け入れるための「介護福祉」の在留資格を新設する。永住許可基準と国籍付与基準の見直しも必要だ。たとえば、原則として入国後5年で永住を許可し、7年で国籍を与える。

全国に約500ある介護福祉士の養成学校は、日本の若者の志望者が少なくなって閑古鳥が鳴いていると聞くが、これを活用しない手はない。介護福祉の仕事を希望する外国人に、まず海外で1年間日本語をしっかり勉強してもらう。その後、日本の養成学校で一定期間、介護技術、日本語、日本の風俗習慣などを徹底的に教育する。

国家試験に合格のうえ養成学校を卒業し、介護施設に就職が決まった外国人には「介護福祉」の在留資格(新設)を与える。国家試験に落ちても同学校の卒業生については、准介護福祉士などとして働いてもらうようにする。

深刻化する介護人材枯渇時代に備え、大量の外国人介護福祉士を育成する体制を早急に
確立しなければならない。

人間のケアの心は世界共通である。日本人と結婚した在日フィリピン人や日本に永住する在日ブラジル人がすでに介護の現場に進出しているが、介護施設の長の話を聞くと、外国人スタッフは高齢者の評判がいいということである。日本人が失いつつある敬老精神があり、話好きであったり、陽気に歌ったりで、高齢者も喜んでいるそうだ。

外国人職員から心のこもった介護サービスを受けた高齢者はもとより家族も外国人に感謝している。移民政策の成功のヒントがそこに隠されているように思う。

人口の高齢化が進む日本は、介護福祉の世界で外国人スタッフと高齢者が和気あいあいですごす共生社会をめざすべきだ。

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