黒田日銀総裁の移民受け入れ発言

坂中提案

2016年8月27日発の『ロイター通信』によると、米国で開かれた経済シンポジュームにおいて黒田東彦日銀総裁は、「潜在成長率の押し上げに向けてさらなる移民の受け入れと、その他の政治的に難しい問題について定期的な安倍首相との会合で話している」と語ったという。

日本政府が移民政策について検討を始めていることを明らかにしたこの報道は、同時期の『エコノミスト』(2016年8月20日号)の「日本への移民――狭き門が開き始めた」と題する記事とあいまって、日本が移民国家へ舵を切ろうとしていることを世界に強く印象づけた。黒田発言が世界に与えた影響はいくら強調してもしすぎることはない。

黒田日銀はマイナス金利の導入などあらゆる金融緩和策を打ち出しているが、内需を拡大し、実体経済を活性化させるまでには至っていない。デフレ経済からの脱却もうまくいっていない。それにはやむを得ない理由がある。日本経済から活力を奪った人口問題が深刻化する一方であるのに、それを放置して日銀に経済活性化の旗振り役をお願いするのはもともと無理な注文である。まず政府が何よりも先に行うべきことは、人口減少問題の最有力の解決策である移民政策に本腰を入れて取り組むことだ。

アベノミクスの活路を移民政策に求める黒田日銀総裁の勇気ある発言を受けて、安倍首相が移民開国を決断すれば、世界の機関投資家は移民大国の誕生を評価し、同時にそれを機に日本経済が成長軌道に乗ることを期待して、日本への積極投資に向かうのは確実である。

私は2014年3月、日本の移民政策に関心が深い米国最大手の投資顧問会社の幹部たちと会って、世界の巨大投資家グループの対日投資行動と日本の移民政策が密接に連動していることを確認済みである。

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