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高等遊民の生活を満喫


 
 現在の私は、3年前に妻を亡くし、自宅にひきこもりきりである。人と会うことはめったにない。メディアの取材はすべて断っている。心をわずらわされることをするのがおっくうになった。人間嫌いの気持ちが高じたのかもしれない。引退願望が顔をのぞかせたのかもしれない。社会との接触を断った、昔の中国の仙人のような隠遁生活に憧れる。唯一の例外が、日課として移民政策研究所のホームページに小文を書くこと、後世の人々の参考に供するため移民政策論文を書き残すことである。いい文章を書くことが生きがいの高等遊民の生活を楽しんでいる。

 ただし、理想の移民国家を創るというライフワークと取り組む姿勢に変化はない。日本民族の命運がかかる国難に殉じる決意を新たにするとともに、坂中構想の先途を思うことしきりである。

 移民国家の道が険しくなり、予期せぬ難問が待っているかもしれない。想像を絶するプレッシャーが我が身におそいかかるだろう。移民政策に頑強に抵抗する政治の壁を突き破れるか。一人旅が続く中、無理に無理を重ねた心身が激務に耐えられるか。コロナウイルス問題が移民排斥の考えに拍車をかけるおそれはないか。人類共同体社会をつくる夢がついえるのではないか。そんな悪夢にうなされる時がある。

 すると直ぐに弱気の虫を打ち消す強気の虫が出て、この期に及んであれこれ心配しても仕方ないと気力をふるい立たせる。世界の移民政策が激動の時代に入った今こそ坂中移民政策論の真価が問われる時だと奮い立つ。そんな私を元気にしてくれる朗報が届いた。2020年2月、人類共同体ビジョンで世界の移民政策の歴史的転換を迫る英文図書――「 JAPAN AS AN IMMIGRATION NATION」(LEXINGTON BOOKS)が出版された。人類の歴史に新しいページを切り開いた坂中英徳の最高傑作である。

 以下は今後の行動指針である。①内外の友人との出会いがあり、多くの人の協力があって今の自分があることを忘れず、頂上まであとひとがんばりが必要と現状を厳しく認識すること。②天は移民政策に味方すると信じ、天の時を待つこと。③人種や宗教に対する偏見が少ない日本の若者の移民受け入れ能力の高さを世界の人々にアピールすること。

 以下は、よろずの神々を信じる日本の若者が目標にしてほしい移民社会の理想像である。「地球市民としての教養を身につけた日本の若者たちが、世界の若者たちと力を合わせ、世界の手本となる移民社会の創建をめざし奮闘している。日本人の和の心の結晶体である人類共同体思想が世界の人々の共感を呼び、近未来の世界の普遍的理念の一つとして煌めいている」