首相が「移民政策はとらない」と言い続ける国の明日は絶望的

コロナウイルス問題が終焉を迎えた後の後遺症は極めて深刻なものになると考えている。第二次世界大戦から77年続いた世界秩序の崩壊は避けられないと思い詰めている。世界が百年に一度の動乱の時代に入るのは必定だ。特に人口激減が重くのしかかる日本経済と日本社会は再起不能の事態に追い込まれるおそれすらある。
移民問題に絞って言えば、農村部では技能実習生が来なくなって野菜が作れないと農民が悲鳴を上げている。理由は明白だ。移民政策を毛嫌いし、永住者として外国人を遇することを拒み続けた失政のつけが回ったということである。人口減が加速する第一次産業地帯においては、コロナウイルスの問題とは関係なく、まもなく農村・漁村の多くが自然消滅の日をむかえる。
深刻な後継者難で瀕死状態に陥った農村・漁村は臨終の日を静かに待つしかない。長年にわたり非人道的な技能実習制度で外国人をこき使った民族の成れの果てと観念するしかない。
コロナウイルス問題の終息の目途が立つと、政府は日本の生き残りをかけて移民開国を決断すべきだ。それ以外に日本社会の延命策はない。その場合、これまで私は「移民50年間1000万人構想」を提案してきた。しかし時代を読めない政府の無策が続き、国勢が奈落の底にまで落ち込んだ今となっては「移民50年間2000万人」が必要と考えている。「50年間4000万人の人口減少」に持ちこたえる経済力も財政力も今の日本にはないからだ。その場合、経済が二流国家にまで落ち込んだ日本を目指す移民候補が世界に存在するかどうかは別問題である。
この件も「移民政策はとらない」と言い続ける内閣総理大臣の政策転換に期待する。それすら決められない国の明日は真っ暗と断言する。