革命家になった元東京入国管理局長

坂中提案

 2012年10月21日の『ジャパンタイムズ』において外国人ジャーナリストが、日本の移民革命を先導する坂中英徳を、「革命家の顔:元法務官僚、元東京入国管理局長」と内外に紹介した。

 ミスター入管の異名を持つ元法務官僚がどうして「革命家」と命名されることになったのか。保守の典型の私が革命家になったのは晴天の霹靂であるが、冷静に考えると、日本社会が劇的に変わっていやおうなしにそういう立場に立ったということである。40年間、日本最大のタブーの移民鎖国問題と向き合い、移民政策の立案をライフワークとする元東京入国管理局長が、人口崩壊という日本存亡の危機とめぐり合ったからだ。

 移民政策のエキスパートの道を歩んだのは、代表的な政策論文『今後の出入国管理行政のあり方について』を40年前に書いたからだ。その時から移民政策に関する理論的研究と理論の実践に全力を傾けた。その努力が実った。たとえば、2014年5月16日の日本外国特派員協会での講演において世界のジャーナリストが、坂中英徳を「ミスターイミグレーション」と世界に紹介した。

 職業人生を振り返ると、行政官として一途な気持ちで移民問題と取り組んだが、特別の才能があったわけでも人一倍の努力をしたわけでもない。あたかも天から白羽の矢が立ったかのごとく移民革命の理論的リーダーに指名されたということである。晩年になって天職に従事する機会に恵まれ、あたらしい国づくりが移民政策のエキスパートの双肩にかかることになった。

 さて、この夏、霞ヶ関の中枢幹部たちと会って、今後の移民政策のすすめ方について協議した。彼らは「先輩の日本型移民国家構想に賛成です。それしか日本を救う道はありません」と語った。国家公務員を辞めて10年が経ったが、機を見るに敏な霞ヶ関のエリート官僚たちの間で霞ヶ関の異端児だった坂中英徳を先輩として立てる気運が高まったように感じる。

 元法務官僚の革命家のまわりに政府の高官たちが集まってきた。官僚機構から組織として移民賛成の声はまだ上がっていないが、内閣官房の一部の官僚たちが坂中の移民国家論を支持する立場を鮮明にした。

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