銀行と移民

坂中提案

私は2015年7月、「デロイトトーマツ金融ビジネスセミナー2015」において、講演・「人口減少問題の解決策」と、西山誠慈氏(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版編集長)との対談・「人口減少問題と金融機関のあり方」を行った。同セミナーの移民セッションには約70名の銀行幹部が参加した。

私は講演資料・「人口減少問題の解決策」を用意し、「国勢は人口統計で決まる」「日本政府の人口減少問題への対応」「ドイツなど世界各国の人口減少問題への対応」「移民政策の経済効果」「人口減少下の成長戦略の成否は移民政策にかかっている」「世界の投資家は日本の移民開国を望んでいる」「2020年の東京オリンピックまでに移民法制の整備を」などのテーマで話をした。十分の手ごたえを感じた。

人口激減による地方経済の疲弊で借り手が急減している厳しい金融環境の下、金融機関の首脳は人口問題の解決策としての移民政策の必要性を訴えた私の話に耳を傾けておられた。身につまされる思いで話を聞いた方もおられたかもしれない。衝撃的なアイディアと受けとめられたようだ。私の話に共鳴した地方銀行の経営幹部を先頭に地方の経営者から移民を求める声が上がることを期待する。

講演後、私は現場の金融事情に詳しい専門家と懇談し、移民政策と金融が力を合わせれば地方経済を活性化できるとの思いを強くした。

日本が移民立国の国に舵を切り、若手の移民を潤沢に供給すれば、産業基盤が健在な地方経済は生産と消費が増えて活気づくだろう。

存亡の危機にある地場産業は、新天地を求めてやってきた移民からパワーをもらって息を吹き返すだろう。その場合、地域経済を支える地方銀行のはたす役割が重要である。地場産業の振興と、日本に入国した移民が生活環境を整えるのに必要な資金を融資する金融機関の出番である。

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