論文で始まって論文で終わる人生

坂中提案

よわいを重ねると人生を振り返ることが多くなる。70の年になると自分の歩んだ軌跡が客観的に見れる。これまで書いた政策論文においても世界観や行動美学を率直に語っている。私は自分の文章で自分の行動を縛ることで職業倫理を守ってきた。坂中流の言行一致の生き方である。

坂中論文から40年の努力の結晶が20冊を超える著書である。その大半が国のあり方を根本的に問う政策論文である。国家百年の計の立案に生涯をかけた稀有な日本人が、壮大無比の移民国家理論体系をうちたてた。議論を呼ぶ論文を書いて各方面から批判されぱなっしの人生を送ったが、筆一本で移民国家の創造に挑んだ人生を誇りに思う。

私の人生を一言でいえば、「論文で始まって論文で終わる人生」と要約できる。シンプルな生き方である。人生を論文になぞらえれば、起承転結の成った人生といえるのかもしれない。

1975年に『今後の出入国管理行政のあり方について』という歴史的論文を書いたことで移民政策一本の職業人生を歩むことになった。一本の政策論文が一人の日本人の運命を決めた。それから40年を経た今日、坂中論文の究極の発展形態としての日本型移民国家構想が日本の運命を決めることになった。

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