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行政官と移民政策

未曽有の数の移民を成功裡に受け入れるためには、まず移民を社会の一員として人類同胞として歓迎する国民世論が形成されていることが前提である。そのうえで、世界中の人たちが移住を希望する「移民に夢を与える日本」へ生まれ変わらなければならない。

すなわち、国籍、人種、宗教を問わず、すべての人に機会均等を保障し、実績を上げた人が評価され、社会的地位を得ることができる「世界に開かれた平等社会」をつくる必要がある。同時に、多様な価値観と文化を尊重する社会、いわゆる「多民族共生社会」を築かなければならない。日本が移民にとって魅力ある国に変わらないと、世界規模で展開される人材争奪戦において勝ち目はない。

新たな国づくりに際しては、国の移民に対する見方、処遇のあり方が根本的に問われる。外国人を主として管理・規制の対象と見る今の姿勢のままでは、「多民族がともに生きる社会」をつくることはできない。原則として、移民の権利を日本人と同等に保障するという基本的立場に立って、日本人と移民の融和を深めることに主眼を置き、社会の少数者である移民の立場に配慮した行政への転換を図る必要がある。

また、入国を認めた移民の社会への適応を円滑に進めるため、日本語教育と就職支援に行政の力点を移す必要がある。さらに、移民として受け入れた外国人にできるだけ早く日本国民になってもらうため、簡易に国籍を付与する制度の新設が欠かせない。

以下は、在日朝鮮人に係る民族問題で苦闘した元入管マンの助言である。

〈日本が日本民族のほかに多様な民族が永住する「多民族国家」になった場合には、国は、民族、文化、宗教のちがいを原因とする民族問題の発生を未然に防止するとともに、様々な民族集団を日本国という一つの国民国家秩序の下にいかにして上手にまとめるかという困難な課題に立ち向かわなければならない。〉