若者が新しい時代を切り開く

坂中提案

20131017-2移民時代に生きる日本人の未来は、移民とどのような関係を築くかによって決まると言っても過言ではない。

日本人が移民と良好な関係を結ぶには「民族の心」と「寛容の心」を合わせ持つ日本人の育成が肝要である。精神の純粋性と許容性を兼ね備えた日本人が多数を占める社会こそ真の多民族共生社会なのだ。

大量移民時代が訪れると、小中学校に通う移民の子供が増えるので、移民と机を並べて勉強する小中学生向けの多民族共生教育が重要になる。

多民族共生教育を実施する前提として、子供の個性の芽を摘んで「均質な日本人」をつくる教育から、個性の芽を伸ばして「多様な日本人」をつくる教育へと、初等中等教育のあり方を根本的に改めなければならない。

そのうえで、小学生から中学生までの子供に正しい外国人観、外国人との交際法を身につけさせるための教育を徹底して行う。そのための啓発科目を小中学校のカリキュラムの中に入れることも必要だ。

学校だけでなく家庭においても、地球上には多様な民族が存在すること、すべての民族の存在意義を認めること、そして地球文明においてかけがえのない存在の日本人であることに誇りを持つことについて、親と子で語り合ってほしい。

日本の学校で移民の子との異文化交流を体験すれば、日本の児童・生徒・学生は変わると考えている。心の広い日本人に成長するだろう。

移民と一緒に学ぶ子供や若者は、異なる民族との交流で日本人であることに目覚める。移民とのはだかの付き合いを通して人間は多様なものであることを肌で知る。移民が日本文化を高く評価するのを見聞して日本文化のすばらしさを発見する。やがて本当の国際人に生まれ変わる。

今の日本に若者を奮い立たせるような国家目標はあるのだろうか。暗雲が漂う人口崩壊時代の不安を吹き飛ばす目標がある。多民族共生国家の建設だ。

日本の未来を担う若者が移民と手を携えて人類未踏の「多民族共同体」の創建に挑むのだ。若者にとってこれ以上のやりがいのある仕事はない。のみならずこれは日本の若者が自らの人生を自らの手で切り開くものである。

人口ピラミッドがひっくり返る時代に生きる今の30代以下の世代にとって、移民は新しい国づくりの同士である。移民と力を合わせて人口崩壊の危機を乗り越えてほしい。

近ごろ私を訪ねてくる若者がとみに増えたように思う。つい最近、東京大学法学部の4名の学生(2年生)と日本の移民政策について話をした。彼らは事前に私の著書等を読んでいたので議論がかみ合った。

2時間30分の中身の濃い討論を終えて、みなさん「人口崩壊には移民革命で立ち向かうしかない」という私の考えに共鳴した様子だった。日本のエリート候補と私は初対面で意気投合した。時代は移民開国へ向かって変わろうとしているのではないか。

自分たちが先頭に立って新しい時代を創らなければならないと語る東大生たちを見て、日本の将来は心配ないという思いがこみあげてきた。

20131018-1

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