育成型移民政策をとれば社会統合が進む

坂中提案

国民と移民の関係をいい方向に発展させていくためには、移民にとって魅力的な受け入れ制度を用意するとともに、国民が移民に来てもらってよかったと実感できる社会を作る必要がある。

そのような観点から私は育成型移民政策を提案している。まず、少子化で定員割れが続く日本の高等教育機関や職業訓練機関を活用し、30万人の留学生を教育する体制を確立する。

大学・大学院を卒業した外国人には、日本人の学生と対等の立場で就職戦線に参加し、希望する職業に就いてもらう。職業専門学校で専門知識・技術・技能を身につけた外国人には、移民を切望している農林業、水産業、病院、介護施設、町工場などの職場を提供する。

明治時代から築き上げてきた教育施設群は世界有数の充実したものである。そこに移民を入れ、日本人に対するのと同じ熱意で教育すれば、産業界に貢献する人材が輩出するだろう。

それだけではない。日本の青少年への波及効果が期待できる。学校で移民との異文化交流を体験することで日本の児童・生徒・学生は著しい変貌を遂げる。移民とのはだかの付き合いを通して、人間は多様なものであることを肌で知り、異なる民族への寛容の心が芽生え、世界への目が開かれる。

近年、移民の社会統合があまり進んでいないドイツ、オランダ、スウェーデンなどの国では、移民に対して受け入れ国の言葉や文化を徹底的に教えるようになっている。

しかし、日本はゼロから日本語教育など教育重視の移民政策を展開できる有利な立場にある。少子化で経営難に悩む教育機関の再利用という点でも育成型移民政策は理にかなっている。既存の施設と今いるスタッフを使うから対費用効果も大きい。

育成型移民政策に基づき移民を受け入れる政策をとれば、国民と移民の社会統合が順調に進むと考えている。

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