移民革命と日本革命の二つの革命を

私は2005年から2022年まで一貫して、日本の歴史に類を見ない規模の移民受け入れを訴えている。しかし、50年間かけて1000万人の移民を入れても、日本の総人口が3000万人も減るという厳然たる事実を正視すべきだ。3000万人の人口減が、政治・経済・財政・社会・国民生活・教育制度・医療制度・安全保障体制・防災体制など各般に及ぼす影響は空前絶後のものになる。
日本が世界有数の移民大国になっても、若年人口の減少と高齢人口の増加による人口秩序の崩壊が避けられない以上、たとえば必要な人員の確保が困難になった自衛隊・警察・消防など国の安全保障体制・防災体制の根幹が揺らぐことになるのは必至だ。財政破綻の現実化、小中高等学校・大学の廃校、社会保障制度の全面崩壊などの重大問題が噴出することも避けられない。
3000万人の人口減に耐えられる社会をつくるためには、史上最大規模の移民を迎える移民革命に加えて日本社会全体を根底から改める社会革命が不可欠だ。要するに日本史上初の日本大革命が必要ということである。
換言すれば、このふたつの革命を同時に成し遂げて初めて日本社会の存続の見通しが立つということだ。移民革命と日本革命を国民の総意で実行すれば、たとえば年少人口の激減で瀕死状態にある農山村社会の一部が奇跡的によみがえる可能性が出てくるということだ。たとえ1000年に一度の天変地異に見舞われても犠牲者を最小限に抑えることができるということだ。
令和の時代を生きる私たちは、明治から平成まで続いた人口増加期に形成された価値観・政治の仕組み・安全保障体制などを全面的に見直し、居住者人口が激減する社会に見合った国に移行する必要がある。私の言う「小さな日本社会」への歴史的大転換である。その場合、日本史上最大レベルの革命を成し遂げる覚悟が国民に求められるのは論をまたない。