移民革命と同時に社会革命を行うことが国家存立の条件

坂中提案

平成の日本は、明治から今日まで続いた人口増加時代に形成された国民の生き方・生活様式から政治・経済・社会・教育の諸制度に至るすべてを根源から見直し、人口規模に見合った国の建設に着手しなければならない。それは日本の歴史はじまって以来の社会革命に発展する可能性が高い。

社会革命は日本の生存をかけて行う歴史的大事業である。その困難さのレベルは移民1000万人の受け入れの比ではない。民族と国籍、さらに世代と官民の垣根を乗り越えて、全国民が決死の覚悟で立ち向かわなければそれは失敗に終わる。

人口崩壊の危機が迫るこの期に及んでも改革を怠けて惰眠をむさぼる日本の現状に怒りを禁じ得ない。人口増加時代につくられた国家の基本制度について、人口減少社会に対応するものへの見直し作業はまったくと言ってもいいほど進んでいない。有識者の間で問題の所在について議論すらなされていない。本格的な人口減少期に入ったというのに古い日本の体質・体制が温存されている。

私はこの10年間、既得権でがんじがらめになっている肥大化した日本から、既得権をすべてご破算にし、ぜい肉をそり落としたスリムな日本に生まれ変わること――すなわち国民と政府が日本革命に立ち上がり、それをやり遂げるしか日本の存続の道はないと言い続けている。

しかし、霞ヶ関の官僚たちが、人口崩壊に伴う国家の基本制度のあり方について危機感をもって取り組む姿勢は見られない。それはわかりきった話だ。自らの血を流す改革を官僚機構が行うはずがない。国の統治機構の根幹にかかわる問題であるから政治に期待するしかない。

だが、政治家が率先垂範して、人口減少時代に適合する政治制度への大転換、たとえば、国会議員の定数を今の三分の二に減らして人口規模に相応する小ぶりの政治制度に改めること、二院制のあり方を全面的に見直すこと、道州制の導入など中央集権体制を変革することなど、自らの身を削る政治制度改革に手をつけるとはとうてい思えない。

既得権を手放す気のない政治家に国家制度・政治制度の根本的な変革が期待できない以上、主権者たる国民が社会革命と政治改革の実行を政治家に迫るしかない。国民が政治に鉄槌を下すときには、国民にも人口危機の時代を乗り切るうえで不可欠のライフスタイルの改革が求められる。

すなわち、人類が未知の領域の超少子・超長寿社会を生き抜くために、贅沢と無駄を省いたシンプルな文明生活に改める。健康な生活を第一とし、年金・社会保障制度を当てにせず、元気な人は80歳まで働く。国や社会に頼らず、自分の命は自分で守ることを旨とする。最小限の社会保障制度を維持するため、税金、社会保険料などの負担増と、年金の減額や福祉サービスの低下に耐える。比較的恵まれた生活環境を享受している現代人にとってこれは苦渋の選択である。しかし、国民がつつましく暮らす生活に新たな価値を見だす生活革命なくして持続可能な社会をつくることはできないと言わなければならない。

残念至極であるが、移民政策の専門家の私にできることは移民革命の成否との関連で問題を提起するところまでだ。移民革命をもって日本大革命の嚆矢とし、社会革命の先頭に立つ若者たちに移民国家の未来をゆだねる。

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