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移民鎖国の温室の中で生きる時代は終わった

2019年11月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなどの諸国で異なる人種と宗教に対する排他的な考えの持ち主が繁殖中である。移民世界は人類存亡の危機の時代に入ったと認識する。これは第二次世界大戦後の国際法秩序が崩壊に向かう兆候ではないのかと危機感が募るばかりだ。反移民主義者や人種差別主義者が大手を振ってまかり通る世界にしてはならぬと世界の知性に訴えている。

しかしながら、移民鎖国のイデオロギーを墨守している日本の国のあり方こそ、日本社会のみならず国際社会にとってもよほど大きな問題であると言わなければならない。移民の受け入れのあり方に関して移民先進国がもがき苦しむ中でひとり日本が移民鎖国の温室のなかでぬくぬく生きる時代は終わった。

国内に目を向けると、もはや一刻の猶予も許されないほど事態が切迫している。人口危機が深まる一方の日本丸は沈没寸前の危険水域に突入した。最近の私は「ここまで人口崩壊危機が深まると何もかも遅きに失した」との思いが深まる一方だ。長年の努力が水泡に帰するのではないかと心配がつのるばかりだ。

仮に日本が50年間で1000万人の移民を入れても3000万の人口が確実に減る。人がいなくなった地方自治体の消滅や、人材獲得が困難になった中小・零細企業の倒産が相次ぐ。トヨタ自動車などの世界企業も専門職や技術職を十分確保できなくなり、国際競争力が低下する。自衛隊・警察・消防も要員の獲得が難しくなって国の安全保障体制・防災体制の一角が危機に瀕する。

私たちは日本を存続させるために何をなすべきか。何ができるか。私の答えは明快だ。移民の扉を開くことだ。世界の人材を日本社会の中に取り込むことだ。国民が心を一つにして世界の鏡となる移民社会をつくることだ。

政治家は移民の助けを求める国民の声に耳を傾けるべきだ。政府は移民開国を決断すべきだ。国民は「社会の一員として移民を温かく迎える日本」をつくる覚悟を決めるべきだ。

「日本は50年間で1000万人の移民(難民を含む)を受け入れる」と世界の人々に約束する時がきた。移民・難民に冷たい風が吹きすさぶ中、国際社会は「人種や宗教の違い乗り越えて人類が一つになる移民国家の理念」を掲げて立ち上がる人道移民大国の誕生に歓呼の声を挙げるにちがいない。