1. TOP
  2. 政策提言
  3. 移民鎖国の時代は終わった

移民鎖国の時代は終わった

2019年1月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、米国、英国、フランス、ドイツで異なる人種と宗教に対する排他的な考えが勢いを増している。移民拒絶主義者や人種差別主義者がわが物顔で闊歩し、反人道主義勢力が世界各国を席巻する時代にしてはならないと決意を新たにする。

それとともに、先進国の中でひとり日本が移民鎖国の温室の中でぬくぬく生きる時代は終わったと、移民開国を躊躇している国民への説得につとめる。もはや一刻の猶予も許されない。日本は沈没への危険水域に陥ったからだ。

少子高齢化による人口秩序の崩壊の脅威がひたひた押し寄せてくるなか、地方自治体の市長や村長が先頭に立って外国人材の獲得に駆けずり回っている。超少子化の進行で人材確保が死活問題と認識する経済界は新卒の大学生・高校生の囲い込みに奔走する。高度経済成長期の「青田刈り」を彷彿する動きが見られる。

日本政府が移民鎖国主義に固執すれば、人がいなくなった地方自治体の消滅や、人材獲得が困難になった中小・零細企業の倒産が相次ぐ。政治家は移民の助けを求める国民の悲鳴に耳を傾けるべきだ。政府は外国人材を各方面に潤沢に供給するため早急に移民開国を決断すべきだ。国民は「社会の一員として移民を温かく迎える日本社会」をつくる覚悟を決めるべきだ。

出生者人口の激減で大量の移民を最も必要とする日本が、50年間で1000万人の移民(難民を含む)を受け入れると、世界に約束する時がきた。世界の人びとは、移民・難民に寒風が吹き荒れる中、「人種や宗教の違い乗り越えて人類が一つになる移民国家の理念」(人類共同体思想)を掲げて立ち上がる人道移民大国の出現に歓呼の声をあげるに違いない。

移民受難時代の到来は私の身にも変化をもたらした。日本の移民国家ビジョンは人類史的・世界的意義があると、世界の移民政策の専門家が注目している。それは既存の移民国家の移民政策にも深刻な影響が及ぶだろう。私は今後、日本のみならず世界の移民政策も牽引する責任があると気持ちを引き締める。