移民鎖国の日本に明日はない

坂中提案

消費税率の引き上げをさらに2年半延期しなければならないほど日本経済の弱体化が進んだ。これで消費税率を10%以上に引き上げることは政治的に不可能になった。それは何を意味するか。社会保障制度の崩壊と財政破綻の恐れが現実味を帯びることになる。

生産人口と消費人口の激減が続くなかで、移民政策を欠くアベノミクスが日本経済を成長軌道に乗せるのは至難の業であると、私は長年主張してきた。日本銀行がマイナス金利の導入など大胆な金融緩和策を次々と打ち出しているが、内需を拡大し、実体経済を活性化させることには成功していない。当然である。人口減少問題の解決と、細る一方の内需の回復を日銀の金融政策に期待するほうが間違っている。

政府が移民鎖国のイデオロギーをかたくなに守るかぎり、働き手の減少と消費の低迷が続くので成長戦略は立てられない。日本政府が移民政策はとらないという立場に固執すれば、経済成長どころか、日本経済は危険水域に陥ると断言する。

話は財政の問題に移る。2016年末現在の国と地方を合わせた長期債務残高は1000兆円を突破した。万一、人口問題の解決に有効な移民政策を欠き、人口増加期に作られた諸制度を放置し、これ以上の消費税率の引き上げが困難な政治状況が続けば、国が抱える借金は雪だるま式に増える。その場合、10年を待たずして国家財政は破綻する。

人間がいなくなった町や村はどうなるのか。100年後の日本で、地方自治体の多くが消えてなくなっているのは確実である。

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