移民経済学事始め

坂中提案

一国のGDPは人口×所得であり、人口×消費である。技術や生産性の向上もプラス要因だが、それはわずかなものだ。人口が減ればGDPは縮小する。人口が増えればGDPは拡大する。

一方、一国の人口動態は出生者と死亡者と移民の三要素によって決まる。出生者の数が死亡者の数を下回る人口の自然減が続く国にあっては、移民政策をとらなければ経済は縮小の一途をたどる。

今日、未曽有の人口崩壊が迫る日本は、1200年以上続く移民鎖国体制を守り、猛烈な人口の自然減に全面的にしたがって経済が縮小してゆく道と、人口の自然減を移民の受け入れで補って活力ある経済大国への道のどちらを選択するかの分岐点に立っている。

実は、人口減少時代に入った日本では、移民人口分の経済成長をもたらす移民政策こそが最有力の経済政策なのである。

日本が50年間で1000万人の移民を計画的に受け入れる移民国家へ転換すれば、衣食住、教育、雇用、金融、情報、観光などの分野で大規模な市場と需要が創出され、少なくとも移民人口分プラスアルファの経済成長が見込める。最終的には1000万人の人口を擁する新国家の誕生とほぼ同じ経済効果が期待できる。

同時に、市場原理に基づく移民政策を展開するうえで心臓部の役割をはたす移民銀行を創立する。この本邦初の銀行は、移民の定住支援に特化した銀行である。日本に身寄りのいない移民が、生活基盤を整え、学校で勉強し、起業するための資金を無担保・無利子で貸し付けることを主たる業務とする。

生産年齢人口の減少が延々と続く人口減少期の日本経済の再生には、生産人口と消費人口の増加に直結し、経済成長に資する移民政策の導入が欠かせない。

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