移民法のポイント

坂中提案

日本の移民政策の体系を定めた基本法として移民法を制定する。移民法は移民国家・日本の根本規範である。移民法において日本の移民政策の基本理念を打ち出すほか、移民受け入れ政策を実施する政府の体制等を盛り込む。

また、公平・公正な立場から世界の多様な国籍の人々を幅広く受け入れ、もって世界各国との友好親善関係を深めるとともに、世界平和の実現に貢献することを定める。さらに、国籍・民族・人種・宗教の異なる人々が日本で平和的に共存する「人類共同体社会」の実現を国家目標として移民法の条文にうたう。

以上のほか、移民受け入れ基本計画の策定の根拠規定を定める。その概要は以下のとおりである。

(1)内閣総理大臣を議長とする移民基本政策会議を内閣に置くこと。同会議は、年間の移民受け入れ数、移民の入国を認める産業分野並びに地方自治体、年間の国籍別移民受け入れ枠の決定など、移民受け入れの基本方針について審議すること。

(2)関係府省は、国会で承認された受け入れ計画に基づき移民の受け入れを実施すること。

(3)内閣に移民政策担当の閣僚を置くこと。移民基本政策会議の事務局として移民政策庁を設置し、同会議の移民受け入れ計画案の企画・立案を補佐すること。

以下に、日本の移民法制の骨子案を提案する。これをたたき台にして、政治家、行政官の間で議論していただきたい。

第一に、政府は世界各国の国民をバランスよく受け入れることを移民政策の基本にすえ、「日本の移民政策は公平を鉄則とする」旨を「移民法」(新法)で宣言する。そのうえで国別の量的規制を行う根拠規定を設ける。それとともに、世界中から優秀な人材を計画的かつ確実に受け入れるため、多数の友好国との間で「移民協定」を締結する旨を規定する。

政府は、移民法の規定に基づき、人材需給の逼迫状況、受け入れ体制の整備状況、移民の社会適応の進捗状況、移民協定の履行状況、日本を取り巻く国際環境、移民政策に寄せられる国民の意見などを総合的に勘案して年次移民受け入れ基本計画を立てる。

計画の策定に当たっては、移民協定を結んだ国や、国民の好感度の高い移民の出身国に配慮し、年間の国籍別移民受け入れ枠(一国の上限は1万人)を決定する。移民受け入れ計画は内閣が策定し、国会の承認を得るものとする。国会の承認を求めるのは、政治家、国民の合意の上で移民政策を円滑に進めるためである。

第二に、移民法制の整備の一環として、入管法と国籍法を改正する。入管法を改正し、将来移民になる外国人のカテゴリーを大幅に拡大する。たとえば、「農林業専門職」「水産業専門職」「建設技術」「製造技術」「造船技術」「重機等操縦技術」「流通運輸業務」「コンビニサービス業務」「柔道・剣道等伝統スポーツ」「伝統芸能」「伝統工芸」などの在留資格を新設する。

また、国籍法を改正し、主要先進国の例にならい、二重国籍を認めることにする。さらに、国籍の付与において出生地主義を一部取り入れる。すなわち、移民二世・三世に最も安定した法的地位(国民)で居住してもらうため、永住者(移民)の子として本邦で出生した者は出生の時に日本国籍を取得できるようにする。

 

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