1. TOP
  2. 政策提言
  3. 移民政策論の深奥を極める人生

移民政策論の深奥を極める人生

 国家公務員を辞した2005年の春。新しい職に恵まれなかった私はボランティア活動家として「人口崩壊に伴う国家非常事態を革命的な移民政策で乗り切る」という目標を立てた。実務家が中心の欧米の移民政策の専門家とは目的意識も発想もスケールも異なる。移民政策にかける心意気でも温度差がある。私は退路を断って移民立国に挑んだ。そして長年の奮闘努力が実った。2020年2月、移民政策理論の深奥をきわめる人類共同体論を世界の知識人に提案するところまできた。『JAPAN AS AN IMMIGRATION NATION』(LEXINGTON BOOKS、2020)である。

 世界に類のない移民国家ビジョンを提唱しているだけでない。日本の国家目標として世界初の人類共同体社会の樹立を提案している。私たちは人種・民族・宗教・国籍の異なる人たちが人類同胞として共に生きる社会を目標に掲げる。100年の歳月をかけて国のかたちを人類共同体社会に作り変える壮大無比の国家ビジョンだ。

 私の夢はとどまるところを知らない。世界中の国々で人類共同体社会が創生される夢を抱いている。日本の精神文化の粋を集めた人類共同体哲学が世界の人々の心をとらえ、地球規模での人類共同体社会と世界平和体制が実現する200年後の世界が視界に入っている。私たちは、移民国家日本が世界のモデル国となって世界の移民政策の根本的変革を迫る。移民排斥運動の高まりや反移民を唱える極右政党の台頭など人道主義の精神に著しく反する現代世界のあり方を根本から問いただす。

 日本政府が独創的な移民国家ビジョンで世界の頂点をめざして歴史的な第一歩を踏み出せば、移民国家日本の基本理念と根本規範は世界各国の模範になるはずだ。わけても国民の間に人種差別の感情と排他的な考えが顕著に見られる伝統的移民国家に深刻な影響が及ぶだろう。

 移民立国の必要性について道理をつくして説明し、誠意をこめて正論を語り、正義にかなう生き方を貫けば日本の未来の展望が開けると信じて今日まで生きてきた。世界の手本となる移民国家日本をつくる夢を持ち続けてきたからこそ健全な精神を持続してこられたのだと思う。現在の私は澄み切った心境で執筆三昧の隠居生活を満喫している。

 50年間、国家的課題の最前線で活躍した坂中英徳の孤高の闘いは終わった。世界最高峰の移民国家ビジョンの完成を見た。それが功を奏して移民鎖国という強固なる岩盤が崩壊した。リベラルな国民が心を一つにし、一人の犠牲者も出すことなく満場一致で移民革命を成し遂げる可能性が生まれた。それを見事に成し遂げれば世界史に刻まれるだろう。