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移民政策一筋の五十年


   
増加から減少への人口動態の大転換が、国民生活、国民総生産、産業経済、財政、雇用、教育、社会保障、安全保障、防災体制など、国家制度全般に計り知れない影響を及ぼすことは理の当然だ。すでに超少子化の影響が社会の各方面に深く及んでいる。現状維持を続けることはもはや許されない。人口ピラミッドが瓦解した日本はすでに重体に陥っていると直視すべきだ。移民開国をしない場合の日本がどうなるかと言えば、人口激減の勢いに歯止めがかからないから人がいなくなって滅びゆく。

これから100年は続くと見込まれる人口減社会を生き抜くため、私たちは移民開国を事始めに、政治制度改革、社会制度改革、産業構造改革、財政構造改革、入管制度改革等々に国民総がかりで取り組む必要がある。賢明な国民が総力を結集して移民革命と日本革命を同時に達成して初めて日本再生の望みがかなえられるということだ。はっきり言わせてもらえば、暗愚な政治家の統治が続き、日本が「移民政策はとらない立場」に固執すれば、10年を待たずして日本沈没が現実の脅威になるということだ。

私は1975年の『今後の出入国管理行政のあり方について』という論文を筆頭に、40冊ほどの移民政策関係の書をあらわした。

日本の移民政策史に足跡を刻んだ歴史を顧みて以下のような思いがこみ上げてきた。①1200年も移民鎖国の境遇に安住してきた日本人の心を移民歓迎の心に切り替えるのは困難を極めたこと。②世界に冠たる移民国家を創造するという構想力を持つ日本人はわたし以外に現れなかったこと。③四面楚歌の状況下に置かれたことがかえって闘志をかき立て、移民国家理論の金字塔を打ち立てたこと。④日本の歴史において一人の民間人に課せられた責任としてこれ以上の重いものはないこと。⑤世界の知性が評価する人類共同体ビジョンを打ち立てたこと。⑥移民政策の本質究明に心魂を傾けた50年であったこと。

日本国の運命に関わる文章を書くことの重圧に押しつぶされそうになる50年であった。それを持続力のある精神力で持ちこたえた。いつもベストの政策論文を書こうと思って筆を執った。しかし、満足のいく文章は一つもない。すべて未完の文章である。私の立てた政策の中には、正鵠を射たもの、過ちを犯したものなどいろいろあると思う。そのあたりのことは将来の歴史家の判断に委ねる。