移民政策をとらない場合の日本経済はどうなるか

坂中提案

人口減少が加速する状況下で移民政策をとらない場合のアベノミクスは日本経済を成長軌道に乗せられないと、私は言い続けている。日本銀行がマイナス金利の導入など大胆な金融緩和策を次々と打ち出しているが、内需を拡大し、実体経済を活性化させることには成功していないようだ。当然である。経済を弱体化させた根本原因の人口問題の解決と、細る一方の内需の回復をひとり日銀に期待するほうが間違っている。

日本政府が移民鎖国のイデオロギーをかたくなに守るかぎり、働き手の減少と消費の低迷が続くので成長戦略は立てられない。政府が移民政策に消極的な立場に固執すれば、経済成長どころか、日本経済は危険水域に陥ると断言してはばからない。

いっぽう、安倍晋三内閣が移民国家宣言をすれば、まず移民に住宅を供給する不動産業や料理を提供する外食産業などへの直接投資が増える。移民が入国し居住するようになると、移民は生活者・消費者であるから、衣食住関連に加えて、自動車、電気製品、情報機器など高額の生活関連商品を購入する。日本語の勉強など子供の教育費も相当な額にのぼる。それらが新たな需要と供給を生む相乗効果によって移民市場が拡大してゆく。

くわえて、国内需要の拡大と世界人材の安定的確保の見通しが立ち、日本企業の国内回帰の動きが見られるであろう。若年の移民人口が消費人口・生産人口に加われば、自動車産業など製造業の海外移転の動きにブレーキがかかるであろう。

英国のEU離脱など世界同時不況が現実味を増す中、海外の機関投資家は、移民大国・日本の誕生を歓迎し、かつ日本に世界経済のけん引役を期待し、日本への積極的投資に向かうであろう。

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