移民政策は成長戦略の切り札

坂中提案

日本人が消えてゆく時代の移民政策はすぐれて経済政策であると考え、人口秩序の崩壊が日本経済に与える影響を最小限におさえるため、移民1000万人構想を立てた。

1000万人の移民が将来の国民として加わると、移民関連の住宅、教育、雇用、金融、情報、観光などの分野で市場と需要が創出されるので、少なくとも移民人口分の経済成長が期待できる。

さて、生産人口と消費人口の減少が続くなかでアベノミクスは日本経済を成長軌道に乗せられるのだろうか。それは安倍政権が移民政策の導入を決断できるかどうかで決まる。

日本が移民鎖国体制を続けるかぎり、働き手の減少と内需の低迷が続くので成長戦略は立てられない。それどころか、移民政策の矢を欠くアベノミクスは失速する可能性が高い。

一方、安倍内閣が移民立国で日本経済を立て直す方針を決定すれば、世界の投資家は若年層が中心の生産人口の増と国内需要の伸びが期待できる移民大国の誕生を歓迎し、投資行動に変化が生まれる。持続可能な経済の見通しが立ち、日本企業の国内回帰が始まる。

移民政策は成長戦略の切り札である。移民政策で移民人口が増えれば、経済の先行きに対する最大の懸念材料の生産人口の激減が緩和され、移民関連の有効需要が生まれ、多国籍の人材の加入で国際競争力が強化されるなど、日本経済の抱える問題の多くが解決の方向に進む。

経済の規模を大きくする「成長戦略」は無理としても、長期的な視点に立って移民政策を着実に実施することを条件に、経済の基礎体力を一定水準に保つ「安定戦略」を立てることは可能だと考えている。

たとえば、久しく新成長産業と期待されていながら、若い就業者の確保が困難な状況が続き、成長戦略を満足に描けないでいる介護福祉産業や農業についても、海外から志の高い人材が手に入れば活路が開ける。超少子化で人手不足が深刻化する中、若年の移民人口が生産人口に加われば、自動車産業など製造業の海外移転の動きにブレーキがかかる。

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