移民政策は万策尽きて最後に出す切り札なのか

坂中提案

移民国家の議論が始まったのに抗するかの如く、移民問題が政治の争点となるのを避けたいという思惑がある政治家は、50年後の1億の人口目標を掲げる一方で、いまさらながら女性・高齢者・外国人労働者の活用と、ロボットの活用など生産性の向上を強調している。

しかし、それらの政策の本質は経済政策であって、日本の生死がかかる少子化対策とは次元を異にする。たとえそれらの政策を総動員しても、人口問題の根本的解決には結びつかない。人口増と国民増に直結する移民政策を欠く人口減少対策は絵に描いた餅に終わると断言する。政府当局者に言いたい。この10年間政府が行った的外れの人口減少対策の数々の効果を検証してはどうか。効果はほとんど見られず、人口問題は厳しさを増すばかりではなかったのか。政府関係者は骨の髄まで移民が嫌いと見える。大局的かつ冷静に物事を見ない政治が続くと国を亡ぼすことになるが、その責任は誰がとるのか。

あるいは、政府首脳の間で移民政策は「万策尽きて最後に出す切り札」として温存するという暗黙の了解があるのかもしれない。しかし、仮にそんな空気が政界に蔓延しているとすれば、切羽詰った日本にそんな余裕はないといわなければならない。

世界の先頭を切って超少子化と超高齢化が同時進行する日本は、移民政策を喫緊の政治課題として取り上げ、移民大論争の帰趨が明らかになるやいなや内閣総理大臣が移民立国の歴史的決断をしないと、アベノミクスが失速するだけでなく、財政破綻=社会保障制度の崩壊へのカウントダウンが始まると明言しておく。

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