移民政策が独り歩きして日本の歴史を変える

坂中提案

私が著作・論文の形で発表した「日本型移民政策の提言」は国民の大多数から無視されている。私の移民国家構想を評価する知識人も皆無に等しい。

日本の歴史はじまって以来の革命的な移民政策を提案しているのだから、それは無理からぬことだ。国民世論を動かすのは厚い岩盤にくさびで穴をあけるような難事業になると予想している。

私は、人口崩壊がひいては日本の崩壊につながると考え、日本の一大危機を救うべく移民革命理論を確立した。移民政策研究の先駆者としての責任は果たした。いまは「待てば海路の日和あり」の心境である。移民立国が「死中に活を求める最善の国策」という世論が高まるのをひたすら待つ。

一方、私の政策提言に対して違和感を覚えた日本人は多数いると想像するが、理論的反論も感情的反発もほとんど見られない。理由はわからない。正直、拍子抜けの感がしないでもない。

2007年2月9日の朝日新聞において1000年以上続く移民鎖国体制を打破すべく移民1000万人構想を発表した。しかし、反対意見はどこからも出なかった。おそらく実現の可能性が全くない「夢物語」と受け流されたのだろう。

しかし、それが幸いした。いま移民国家構想が動き出そうとしている。若い世代の一部から「移民歓迎」の声が出てきた。海外の有力メディアや世界の知識人は日本の移民開国を迫っている。

国民の間から積極的な移民反対の声が出てこない状況がはっきりすれば、「平成のビッグバン」が起きる可能性がある。国民からあまり歓迎されない提案でも、ほかに適当な代案が見つからなければ、それが人口崩壊をとめる唯一の政策提言として独り歩きし、政府の基本方針に発展することもあり得るのではないか。

つまり、移民革命思想はもともとは坂中英徳の「私論」にすぎなかったが、斬新な移民国家像を求めて研鑽に励み、説得力ある移民国家論を完成させたがゆえに、国民から消極的に受け入れられることになるかもしれない。

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