移民国家日本の建国の立役者

　国家公務員時代、悪徳政治家から酷い目に遭った私は、当初、政治家の代役をつとめる考えは頭の隅にもなかった。むろん権力志向の政治的人間ではない。しかし新しい国づくりで政治責任を果たす気概が見られない政治家の態度に業を煮やし、移民立国に関する国民的議論の帰趨を決める最終局面において主動的役割を果たさなければならないと心に決めた。移民国家議論においてこれまで蓄えてきた実力を遺憾なく発揮し、懸命の著作活動と啓発活動を通して移民賛成の国民が多数派を占める世論形成に尽力した。

　これを要するに、移民政策一筋の道を歩んだ移民政策研究所所長が、国の将来に不安を感じる国民の圧倒的な支持を得て、移民国家日本の建国において立役者の役割を果たしたということである。