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移民国家日本が世界を変える

 私は日本史上はじめての人口秩序の崩壊を日本が移民国家へ転換する絶好のチャンスと理解する。私たちは移民の力を借りて日本の一大危機を乗り切るとともに、日本民族その他すべての民族がうちとけて一つになる「多民族の融和」をめざす。日本列島を人類共同体社会に一新し、世界の青少年が日本移住を夢見る移民社会の理想郷を創生する。

 そのとき先祖代々の日本人に求められるのは、日本人としての民族的アイデンティティを持ち、かつ異なる民族を対等の存在と認めることである。日本人の根本精神を堅持するとともに少数民族の固有文化を尊重する。究極の目標は民族の心と寛容の心を兼ね備えた地球市民だ。

 世界の諸民族が日本に永住したいと憧れる国は、日本人が日本人としての誇りを持ち、移民が移民としての誇りを持つ社会だ。日本人と移民の双方が互いの生き方を尊重し、共に生きる社会が、私が描く移民国家日本だ。

 ここで2021年現在の心境を述べる。国家公務員を辞した2005年に移民立国の問題に着手した時点において移民鎖国を支える日本人の精神基盤がこれほどまで強固なものであるとは予想もしなかった。それを覆すまでに15年の歳月を要するとは思いもしなかった。もっと早く移民開国を実現できると思っていた。まったくもって私の不明の致すところである。

 さりながら見通しの甘さが思わぬ好結果を招くこともある。15年かけて国民の悲願の達成に向けて努力を重ねたことが世界をリードする移民国家理論の完成につながった。人類共同体宣言を全展開した移民政策理論の金字塔・『Japan as an Immigration Nation』(LEXINGTON BOOKS、2020年2月)の誕生だ。これを上梓して論文人生の画竜点睛が成ったとの思いがこみ上げてきた。