移民国家大綱試案

坂中提案

 移民立国で元気あふれる日本に生まれ変わろうというのであれば、移民を同胞として歓迎する世論が形成されていることが前提条件だ。そのうえで、移民法、社会統合法その他の関係法律を制定し、移民政策庁、移民銀行を創設するなど、移民受け入制度を整えなければならない。
 
 その場合、政府は年次移民受け入れ計画を策定し、それにしたがって秩序正しく移民を入れていく。移民受け入れ計画は国会の承認事項とし、世界的な視点と公平の立場に立って年間の国籍別移民枠(一国の上限は2万人)を決定する。

 国民には、民族や文化の異なる人々と共に生きる姿勢と、移民に対する偏見や差別のない社会をつくる覚悟が求められる。世界中の若者が日本への移民を憧れる社会の樹立をめざす。日本の若者と世界の若者が互いの長所を認め、自らの短所を克服して人間性を高める社会である。

 移民の地位で迎えるからには、外国人に安定した職場を用意しなければならない。移民に開かれていない社会経済制度を改める必要がある。

 たとえば、農業分野に移民を入れるためには、家族単位の農業経営のあり方を改め、大規模に食料生産事業を展開する新しい農業経営の仕組みを作る必要がある。商社など一般企業が農業生産法人(株式会社)を設立し、耕作放棄地や休耕地を農業者から賃借りするなどしたうえで、日本の農業高校・農業大学校を卒業した外国人を正社員で雇用する。もちろん日本人との同一労働・同一賃金である。

 既得権側の抵抗が予想される。痛みを伴う。しかし、移民政策はフレッシュな人材を供給し、深刻な人材不足に悩む日本農業の再生に役立つ。大規模経営への道を開く。農業生産力と食料自給率の向上をもたらす。

 国民候補の移民として受け入れる以上、国の外国人処遇のあり方も変革を迫られる。社会の少数者である外国人の立場に配慮した行政への転換が不可欠だ。入国を認めた後の外国人の社会適応を促進するため、日本語教育と就職支援に行政の力点を置かなければならない。

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