移民国家創成塾で移民政策の専門家を育てる

坂中提案

私は「今後の出入国管理行政のあり方について」(1975年)というタイトルの政策論文を書いたことを契機に、外国人政策、移民政策に課題を絞って研鑽を積んできた。

2005年に日本が人口減少期に入るとすぐ「人口危機には移民政策で対処するしかない」とひらめき、同年8月、外国人政策研究所(移民政策研究所の前身)を設立、移民政策研究を本格化させた。2008年6月、移民政策研究の一里塚としての「日本型移民政策の提言」を立案した。

移民政策関係の著書は20冊余を数える。切れ目なく政策論文を書き続けてきた。人口問題への対応策としての移民国家構想を体系的・具体的に提案した著作が「日本型移民国家への道」(2011年)と「人口崩壊と移民革命―坂中英徳の移民国家宣言」(2012年)である。

振り返ると、私以外に国家政策としての移民政策の立案者は現れなかった。国の運命を左右するような政策を立てるのは年季の入る仕事なのだろう。国の政策に直結する本来の意味での移民政策を研究する日本人は私しかいないということになった。移民政策の専門家を緊急に必要とする平成の日本にとってこれはまことに不幸なことであるといわなければならない。

なぜこんなことになったのか。日本の知識人も政治家も官僚も、長年にわたって在日韓国・朝鮮人問題と移民問題をタブ―視してきた。当然、移民政策に取り組む専門家は育たない。その結果、移民政策のプロフェッショナルが不在の今日の事態を招いたのだと考えている。

移民政策をめぐって国民的議論を開始するにあたって論客がいない。私の好敵手がいない。それでは議論にならない。さてどうするか。

今すぐにいい知恵は浮かばない。もう少し時間を貸してほしい。現在、移民政策研究所移民国家創成塾(坂中英徳主宰)で移民国家日本の将来を担う人材を育成中である。志のある若者が熱心に勉強している。

移民国家創成塾が世に送り出す俊英たちが移民政策の専門家として活躍する時代は近いと予想している。

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