移民国家の産みの親

坂中提案

私は日本人の中では特異な人種に属すると思うが、各方面から多くの「あだ名」をいただいた。1975年に書いた『今後の出入国管理行政のあり方について』という論文が「坂中論文」と呼称されたことに始まり、「救世主」「売国奴」「冷酷な官僚」「移民政策の元凶」など数々の通称あるいは異名をつけられた。

それら以外にも、2005年に出た『入管戦記』という本の帯で「反骨の官僚」「ミスター入管」と呼ばれた。

2012年10月の『ジャパンタイムズ』は「移民が日本を救う」という表題の記事において「移民革命の先導者」と内外に紹介した。

そして2014年5月、日本外国特派員協会において講演した際には、「坂中英徳氏は日本の『Mr.Immigration』として知られている」と紹介された。ミスターイミグレーションが書いた英語版移民政策論文の決定版が『Japan as a Nation for Immigrants』(2015年5月刊)である。世界の知識人がこれを何と名づけるのか楽しみだ。

物議を醸すような移民政策論文を数多く発表し、その実現に努めた実績がものを言って、多彩な顔を持つ坂中像が形成されたのだろう。

悪名を含む、いくつもの顔を持っていることは私の強みである。これは移民国家への道の先導役をはたすうえで強力な武器になると考えている。たとえば、移民1千万人構想は、「反骨の官僚」といわれた元入管職員の政策提言ということで政府部内で重く受け止められたようだ。日本の代表的知識人である野田一夫先生から、「ミスターイミグレーションの立てた移民政策は説得力がある」との評価をいただいた。

以下は、移民政策が正念場を迎えた私の決意表明である。人口危機に見舞われた日本を救う「救世主」の責任をはたす。「移民革命の先導者」として最前線で闘う。そして、日本型移民国家の理論的基礎を築き、後世の日本人から「移民国家の産みの親」のあざなで呼ばれたら最高である。

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