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移民国家の産みの親にふさわしい人間になりたい


 

  そもそも歴史的な仕事をする人間の器でないことは自分がいちばんよくわかっている。英傑でも権力者でもない。民間の小さな研究所の所長である。世界に冠たる移民政策の立案に献身したこと、移民政策学をきわめたことを誇りに思う一学徒にすぎない。

  年をとって穏やかな人柄になった。往年の反骨の官僚の面影はない。移民政策を推進する馬力も難関を突破するパワーもない。もとより組織を束ねる器量も人徳もない。そんな無力な身で国民の期待にこたえられるのだろうか。75歳までの命を与えられたというのに未だ悟りの境地に達せず、以上のようなことを考えて一人で悩んでいる。

  人間ができていない私が大望を語るのは気が引けるが、移民国家の産みの親にふさわしい人間になりたいと思っている。私の理想とする人物像は修羅の妄執を超越した達観の士だ。

  それは宮本武蔵のような剣の達人が晩年に達した心境である。剣を抜いて闘うことをやめ、ただそこに存在するだけで風格が漂うような人だ。ふえんして述べれば、①移民国家の創始者としての徳を備えた人間になること、②移民政策研究の世界的権威と認められること、③世界で通用する移民国家ジャパンの顔になること――以上の身のほど知らずのことをまじめに考えている。

  そのような人物として認められるよう人格形成につとめ、著作活動にはげみ、移民政策研究所の所長として最期を迎えれば、その夢がかなえられるかもしれない。