移民はふるさと創生の起爆剤

坂中提案

人類史はヒトが地球上の新たな土地を求めて移動する「移民の歴史」であった。現代は国民国家の時代で、人類は多数の国民に分かれて居住しているが、悠久の人類史をさかのぼれば国民はすべて新天地をめざして移住してきた移民の末裔である。

超少子化で国内人口移動が停滞する時代に入った日本は、日本列島の中で人材を取り合うのではなく、広く世界の人材に目を向け、国際人口移動(移民)に活路を見いだすべきだ。

若年層の外国人を農業高校・水産高校などで教育し、移民を適正に受け入れる大規模経営体制を確立すれば、インフラが整い、産業技術の蓄積がある第一次産業は世界から若手の有望株をひきつけると、私は考えている。

移民政策の導入と軌を一にして、地方に在住する移民と日本の若い世代が「ふるさと創生」のスローガンを掲げて立ち上がり、都市部から農村部への人口移動の大波が起こることを期待する。フレッシュな移民は地方創生の起爆剤になるであろう。日本の若者と世界の若者が力を合わせて日本の産業遺産・文化遺産・自然遺産を継承してほしい。また、国と地方地治体は若い人たちの愛国の情がこもった地方創生事業を全面的に応援すべきだ。

農林水産業は縄文時代から日本人が産業技術を継承・発展させてきた歴史的産業遺産である。自然の恵みに感謝しながら食料を生産し、魚介を採り、樹木を育てる。このような第一次産業の生業を価値の低いもののように見るのは大きな間違いである。先祖代々の日本人が引き継いできた万物有魂論の自然観に反し、自然を冒とくするものだ。

私の親しい在日外国人は、清流が流れ、田んぼが広がる田園生活に憧れている。殺伐とした大都会とおさらばし、自然に親しみ、人間の生活ができる田舎生活にひかれる日本人が次々と現れることを願ってやまない。

日本人の心のふるさとが荒廃すれば日本人の心がすさむ。自然との共生思想が根底にある日本精神を子々孫々に伝えるためにも、里山と里海に代表される「人間が自然に寄り添って生きる景観」を守る必要がある。

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