移民の開放で地方の再生の道が開ける

坂中提案

2014年2月13日の衆議院予算委員会で、安倍晋三首相は民主党の古川元久委員の「移民の受け入れ」に関する質問に対し、「国民的な議論を経た上で、多様な角度から検討していく必要がある」旨の答弁を行った。首相自ら移民の受け入れについて国民的議論を呼びかけたことの持つ意味は大きい。

安倍首相の「移民受け入れ積極発言」を受けて、人口崩壊と社会崩壊の危機が先行している地方から移民の受け入れを求める声を上げてほしい。

2013年の春、私の日本型移民国家構想に共鳴する福岡の有力政治家が訪ねてこられた。「人口の激減で地方経済は疲弊している。地方の再生には移民の力を借りる必要がある」と熱心に語られるのを聞いて、福岡県の人びとは移民を渇望しているとの感触を得た。

さらに2014年2月、福岡経済同友会に招かれ、地元経済界の重鎮の前で、「日本発の移民革命が世界を変える」というテーマで話す機会があった。講演後、11人の経営者と福岡の未来像について討論し、福岡が先陣を切って「移民に開かれた日本」を創ることで意見の一致を見た。

一般に広まっているイメージと異なり、地方の人は移民が嫌いというわけではない。外国からきた人を温かく迎える気持ちがあるという私の考えは間違っていないことを確認できた。

日本の歴史を振り返ると、福岡は古代から大陸からやって来た人の上陸地点だった。奈良時代には大宰府に入国審査の役所が置かれた。鎌倉時代の博多は中華街のある国際都市で商人が活躍した。

博多商人の進取の気風を引き継ぐ福岡の経済人は、福岡の顔にアジアの人びとを引きつける「移民開放都市」を加えてほしい。福岡から移民革命ののろしを上げれば、それが九州全域に次々と広がるだろう。

九州には移民の受け入れで格好のモデルになる事例がある。大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学は、在校生5596人のうち留学生が2466人(2013年11月現在)と44%を占める。世界各国から幅広く留学生を受け入れており、留学生たちは「心の広い大分県民が大好きだ」と言っている。

地球時代の先頭を走るこの大学は日本の宝だ。来るべき「移民国家日本」が目指す多民族共同体社会の縮図である。

知り合いの在日外国人から聞いた話などを総合すると、人口の高齢化と過疎化が急激に進む地方の町や村の日本人のほうが、大都市の日本人よりも外国人をもてなす心が豊かなようである。

政府が移民の門戸を開放すれば、地方の人びとは待ちに待ったフレッシュマンを歓迎するだろう。海外から働き盛りの人材が供給されれば、産業基盤は健在であるから、地方経済は生産と消費が増えて活気づくだろう。

新天地を求めてやってきた移民を社会の一員として迎え入れれば、新しい住民のパワ―をもらって地方再生の道が開けるだろう。

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