移民の受け入れで侃々諤々の議論を期待する

メディア 坂中提案

2月20日発行の『週刊新潮』(2月27日号)に「安倍総理が言及『移民受け入れ』に甲論乙駁」の表題の記事が載った。日本の保守陣営に影響力のある同誌の立場が、移民の受け入れで「侃々諤々とやり合うべき」というものだと分かって一安心した。

それから8カ月がたち、今、現在、侃々諤々の議論とまではいかないが、移民受け入れの議論が活発化しつつある。私は10年来、移民受け入れの国民的議論を呼びかけてきただけに念願がかなってこんなうれしいことはない。

私は2月14日、前日の安倍晋三首相の国会答弁の歴史的重要性を認識する週刊新潮の記者のインタビューに応じ、「移民問題はタブ―視されてきた。画期的な答弁です」と評価したうえで、次のように述べた。

〈日本はこれから50年間で人口が約4000万人減ります。地域社会が崩壊し、農業や介護の担い手がいなくなる。すでに建設業や製造業でも人手不足が顕著になっています。〉

〈欧米でも、日本が直面する最大の問題は人口崩壊と指摘されています。米国のウォ―ル街でも、移民受け入れなら日本は買い、拒否なら売りです。人口がどんどん減って、生産や消費が落ち込んでいく国に、誰が投資をするでしょうか。〉

〈私が提唱するのは、50年間で1000万人の移民受け入れです。学校で日本語や職業技術を教えてから、移民を定着させれば、日本が抱える諸問題はすぐに解決します。〉

移民の受け入れは、安倍首相も国会答弁で「日本の国の形を決めるもの」と述べているとおり、移民国家の建国に繋がるものである。甲論乙駁の国民的議論を経たうえで時の内閣が新しい国の形を決めるというのが正しい手順だ。

移民国家議論の“たたき台”として活用してもらいたいと念願して発行した最新作が『新版 日本型移民国家への道』(東信堂)である。これを基本文献にして議論をとことんやってもらえば、結論は国民の良識に従って落ち着くべきところに落ち着くであろう。

国民がもろ手を挙げて移民に賛成ということにはならないかもしれないが、そうかといって強い反対意見も有力な代案も現れず、政府部内での多角的な検討の結果、空前の人口危機を乗り切る政策の本命は「移民政策」ということで合意に達すると予想している。

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