移民に関する大論争を期待する

坂中提案

 インタ―ネットの世界では移民政策の議論が始まった。「移民」「移民政策」「日本型移民政策」「移民1千万人計画」「人口崩壊と移民革命」などの言葉がまかり通っている。移民政策研究所のホ―ムぺ―ジへのアクセス数が急増し、2014年5月現在の一日あたりのアクセス数は約5000件を数える。フェイスブックでは連日、移民の受け入れに関心を寄せる人たちと私との間で真剣な議論が行われている。

 近く、全国紙などの活字媒体も移民政策を本格的に論じることになろう。さらにテレビが移民賛成の立場から移民の入国問題を取り上げるだろう。そのような状況が生まれれば、移民の受け入れについての国民的議論の火蓋が切って落とされる。国民がこぞって参加する大論争を期待する。

 最近、内外のメディアの取材がとみに増えた。私のところに見える記者は、人口崩壊の怖さを正視し、移民政策の必然性を理解し、移民の受け入れに賛成の人である。日本のメディアが移民反対の立場を取ることはないと考えている。排外主義・移民拒否のスタンスをとることは、良識派の国民の反発を招くだけでなく、世界の世論を敵に回し、日本のジャ―ナリズムの死を意味するからだ。

 なお、移民政策論議が本格化すれば、「移民はお断り」という見解を唱える政治家や、「移民の排斥」を公約に掲げる政党の出る幕はないと予想している。穏やかな意見の人が主流の日本社会では、「排外主義者」「国粋主義者」のレッテルを貼られた政治家の末路は惨めなものである。「移民は嫌い」と公然と主張する政治家も現れないだろうと見ている。

 これまで私が「移民1千万人」の旗を掲げて孤塁を守ってきた。しかし坂中英徳の孤高の挑戦の時代は終わった。

 この10年来、移民の受け入れの是非に関する議論を国民に呼びかけてきた私の執念が実った。国民的議論が開始されると、時間を要すると思うが、結論は国民の良識に従って落ち着くべきところに落ち着くと見ている。国民がもろ手を挙げて移民に賛成するということにはならないが、消去法で空前の人口危機を乗り切る政策の本命は移民政策ということに落ち着くから、移民の受け入れを消極的に「容認」する国民的コンセンサスが形成されるだろう。ここまでの道のりは長かったが、ようやく巨大な壁が崩れ落ち、移民国家への道が通ったと感じる。

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