移民に「賛成」日本51%――朝日新聞の日独世論調査

メディア 坂中提案

4月18日の朝日新聞が、「戦後、移民――日独世論調査」の結果を発表した。それによると、「永住を希望して日本にやってくる外国人を、今後、移民として受け入れることに賛成ですか。反対ですか」の質問に対して、移民に賛成が51%、移民に反対が34%で、賛成が反対を上回った。

この『朝日』の移民に関する世論調査の記事は、私に勇気と希望を与えてくれた。『朝日』は移民政策の推進で論陣を張る構えだ。待ちに待った援軍の登場である。歴史は移民国家の創成に向かって力強く動きだした。

わたしは移民政策に関して朝日新聞と縁がある。2007年2月9日の朝日新聞の『三者三論』に「『移民国家』ニッポン?『人材育成型』の政策を採れ」の表題の談話記事が載った。それををもって坂中英徳の移民国家論の嚆矢とする。

その談話記事の中に、その後、私が展開する日本型移民政策論の原型が顔を出している。8年前に『朝日』が、「移民国家」の見出しを掲げ、「人材育成型移民政策による1千万人の移民の受け入れ」を記事にした先見の明に驚きを禁じ得ない。以下は、朝日新聞で語った移民国家構想のエッセンスである。

〈戦後の長い間、日本政府は外国人をほとんど受け入れてこなかった。当時の入管現場のキ―ワ―ドは「定着防止」だった。外国人の定住や永住を嫌っていた。背景には「人口増加の続く過密社会」という社会事情があった。〉

〈だが今、日本は人口減の時代に入った。今後、一定数の外国人は政策的に受け入れていかざるをえまい。過疎化で地域社会崩壊の危機にある村が多く、高齢化で介護従事者も不足するうえ、人口減で経済活力が落ちれば社会保障秩序も崩れかねないからだ。〉

〈外国人労働者をもっと受け入れよとの議論があるが、私はそれには与しない。「労働者」受け入れという立論は、外国人を短期間こき使う印象が強いからだ。そうではなく、日本は「移民」の受け入れをこそ検討すべきだ。〉

〈その都度のこちらの都合で受け入れたり追い返したりする方法ではなく、将来的に日本国民になってもらうことを視野に入れた、定住促進型の外国人政策への転換である。〉

〈今後50年で人口が仮に4千万人減るとしよう。その間に1千万人の移民を受け入れ、人口1億人の社会へ移行することなら、努力して、やれないことはないと思う。〉

〈その場合、受け入れの仕組みが成否を決める。高度技能を持つ外国人労働者は英語圏を目指し、漢字圏の日本には来ないと認めて、日本は「人材育成型」の移民政策を採るべきだ。外国人が日本の学校できちんと日本語を学べるようにし、職業支援も積極的に行って、国内で技能労働者に「育って」もらうのである。〉

日本のオピニオンリーダーと自認する朝日新聞にお願いがある。日本を移民国家へ導く世論形成の先頭に立ってもらいたい。

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