漁業移民が三陸の漁業を救う

坂中提案

2011年3月11日午後2時46分。宮城県三陸沖を震源とする東日本大震災が発生した。その直後に東北の太平洋沿岸を大津波が襲った。日本屈指の漁場である三陸沖沿岸の市町村は見るも無残な光景に変わった。

大津波で甚大な打撃をこうむった水産業地帯をどうすれば立て直せるのか。だが、震災後2年半が経過したというのに、三陸沖沿岸地方の再建は思うように進んでいないようだ。それどころか、若年層の漁業離れがとまらず、漁業人口の減少が加速していると聞く。

慢性的な後継者難から就業者が減るいっぽうの中で大津波を伴った巨大地震によって産業人口が急減した現実を直視すると、将来の漁業を担う人材の絶対的不足が復興の最大の障害になっていることは明白だ。

60代・70代が主力の陣容では壊滅状態の地場産業の再起の見通しは立たない。最悪の場合、大災害から立ち直れず、地域社会が消滅するおそれすらある。

絶望的な局面を打開する有効な手がある。第1に、世界の若手の人材を移民(将来の国民)として迎える「移民政策」を取り入れる。第2に、家族単位の不安定な漁業の経営形態を見直し、移民の受け皿として安心してまかせられる大規模の経営体に改める。

世界有数の漁場である三陸地方の漁業を再生させるため、漁協や一般企業が投資した水産業法人(株式会社)が、日本の漁師に憧れる世界の若者を雇用し、大規模で多角的な水産業を展開するというものだ。そのためには、10代の外国人を水産高校に入れて一人前の漁師になるよう教育し、地域社会は移民を同胞として歓迎することが前提である。

「漁業移民」には、遠洋漁業、沿岸漁業、養殖業、水産加工に従事してもらう。年配の三陸魚師と若手の漁業移民のコラボレーシーョンで三陸の水産業地帯は活気を取り戻すだろう。

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