法務大臣の在留特別許可の運用を見直すとき

坂中提案

1900年代のはじめに30万人近くに達した不法滞在者は、その後、上陸審査体制・在留審査体制が強化されたこともあって減少に転じ、現在の6万人台にまで減った。米国の不法滞在者の数は1000万人を超える。EUにも難民を中心に約600万人の不法滞在者がいるといわれている。

欧米の主要国と比べると、日本の不法滞在者の数はけた違いに少ない。数だけを見れば、不法滞在者問題は出入国管理行政上の大きな問題ではなくなったと言えなくもない。

しかし、その不法滞在者の中に不法滞在期間が20年を超える人がかなりいると推定されることからも明らかなように、この問題は依然として深刻な人権問題である。

不法滞在者は町工場などでもくもくと働き、一方で入管や警察に見つからないかとびくびくしながら生活している。法違反者とはいえ、 不安におびえる生活を20年以上の長きにわたって強いることは人道にもとるというべきである。

公正な出入国行政を担う入管当局が不法滞在外国人の人権問題を放置しておいていいわけがない。

法務省入国管理局にお願いがある。不法入国者や不法残留者が減少傾向にあること、画期的な外国人住民基本台帳制度が導入されたことなど、最近の不法滞在者をめぐる状況の変化を考慮し、「不法滞在期間が10年を超え、かつ家族を扶養している不法滞在者」については、法務大臣が在留特別許可を認める方向で検討してもらいたい。

« »