歴史的な移民国家ビジョンが動き始めた

坂中提案

著作・論文の形で発表した「日本型移民政策の提言」は国民の大多数から無視されている。私の移民国家構想を評価する日本の知識人も皆無に等しい。日本の歴史はじまって以来の革命的な移民政策を主張している以上それは無理からぬことだ。大構想に対する国民の理解が得られるまでにはもう少し時間が必要なのだろう。

いっぽう私の政策提言に対して違和感を覚えた日本人も多数いると想像するが、これまでのところ移民国家論を覆すような反論も、移民政策に代わる人口崩壊危機への対応策も見られない。

それが幸いした。「移民50年間1000万人計画」は無傷のまま生き残った。いまその歴史的な移民国家ビジョンが動き始めた。インターネットの世界では若い世代から移民歓迎の声が上がった。私が会った世界の巨大機関投資家は日本型移民国家構想の早期実現に期待を示した。内閣府は2月、「100年間で2000万人の移民を入れる」未来構想を発表した。
 
以下は私の希望的観測である。国民の間から積極的な移民反対の声が出てこない状況が明らかになれば、日本のビッグバンが起きる可能性がある。つまり、国民からあまり歓迎されない移民国家への転換が、ほかに有力な代案が見つからなければ、人口崩壊の危機を乗り越える唯一の方策として独り歩きし、政府の基本方針に発展するのではないか。
 
私は最近、これから白熱化すると予想される移民国家論議における基本文献となることを念願して『新版 日本型移民国家への道』(東信堂刊)を世に送り出した。この論文集の発行をきっかけに移民国家への道が開けることを期待してやまない。

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