東京五輪は日本再生のラストチャンス

坂中提案

2017年5月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、米国、英国、フランス、ドイツで異なる人種や宗教に対する排他的な考えが勢いを増している。移民拒絶主義者や人種差別主義者がわが物顔に闊歩し、反人道主義勢力が世界各国を席巻する時代にしてはならないと、私は強い危機感を覚える。

先進国の中でひとり日本が移民鎖国の温室の中でぬくぬく生きる時代は、もはや過ぎ去った。人口崩壊の脅威がひたひた押し寄せてくる中、これ以上移民鎖国を続けた場合、日本の全面崩壊は避けられない。

人口激減で大量の移民を必要とする日本が、50年間で1000万人の移民(難民を含む)を受け入れると世界に打って出る時だ。世界の人々は移民・難民に寒風が吹き荒れる中、人類共同体の理想を掲げて立ち上がる人道移民大国に歓声をあげるだろう。

移民受難時代の到来によって、移民1000万人構想と人類共同体思想は人類史的・世界史的意義をはらむものになった。それは世界各国の移民政策にも多大の影響が及ぶにちがいない。

2020年の東京オリンピックの前に移民国家体制を確立することは喫緊の課題である。東京五輪は確かな延命策を講じて日本を元気な国にするラストチャンスである。このチャンスを逸したら日本は「万事休す」の事態に追い込まれる。

万が一にも、世界の若人の祭典の開催国たる日本が移民開国を拒む愚挙に出れば、世界の若者と日本の若者の心を痛く傷つける。世界のメディアの報道を通して頑迷な移民鎖国の日本イメージが世界中に広まる。その場合の日本が受けるダメージは計り知れない。

それだけでない。首都東京も、2020年をピークに人口減少時代に入る。社会移動による若者の人口流入が細り、出生率が全国最低水準の東京は一転して人口激減に見舞われる。首都の崩落をくい止めるためにも、東京にこそ大量の移民が緊急に必要なのである。

2020年の東京五輪の年を「移民元年」にするとともに、将来に絶望している若者を元気づける「若者元年」にしなければ日本の明日はない、と私は政府首脳に訴える。

そんな中、移民の受け入れを支持する若い人たちが急増しているのは何よりの救いである。志を同じくする若者が移民立国で一斉に立ち上がれば、日本は「移民に開かれた国」に生まれ変わる。移民に消極的な政治家といえども日本の将来を担う若い世代の正論には従うしかあるまい。
 

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