未来の日本のため知識人は何ができるか

坂中提案

 人口危機が将来した国家存亡の時を迎えて、日本の政策決定に影響力を有する知識人は未来の日本のため何ができるか。第1に、人口崩壊の危機に対処する国家政策の最たるものとされる移民政策に関心を持つことだ。第2に、移民の入国問題に正面から向き合うことだ。そこから答えが出てくるだろう。

 人口ピラミッドが崩れる国家的危機を乗り切るための最有力の政策である移民政策について積極的に発言する知識人、専門家が現れない。これ以上の日本の不幸はない。国家の浮沈にかかわる重大問題に傍観者を決め込む知識人の姿勢はいかがなものか。日本の知識人の知的退廃ここに極まると言わなければならない。

 深刻化する少子高齢化問題への対応についても、もっぱら女性と高齢者のさらなる活用を主張するというのが、日本の知識人の一般的立場である。もちろんそれも必要な政策である。議論するだけでなく直ちに実行に移してはどうか。

 ただし、それらは一定期間にかぎって生産年齢人口を増やす効果のある一時的措置にすぎない。女性も男性と同じように激減していくことを忘れてはならない。高齢者が働ける期間は短いうえ、高齢者人口も確実に減っていく。女性と高齢者の力を借りるだけでは人口問題の根本的解決にはならないのである。一国の人口は出生者と死亡者と移民の数で決まるという法則に例外はない。

 知識人の中には移民問題に触れる人もいるが、移民を入れると日本の安寧秩序が乱れるとか、日本の純粋な文化が損なわれるとか、日本人は移民が嫌いだなどと根拠のない御託を並べて、移民開国の動きを牽制する人が多い。日本の未来は移民なしでは展望が開けないことは明らかであるというのに。

 移民政策論議を避ける時代は終わった。移民の入国問題はもはやタブーではなくなった。遅きに失したとはいえ、日本が直面する最重要の課題について真剣な議論を始めなければならない。その場合、人口と国勢の関係を客観的に認識できる立場にある知識人が先頭に立ち、移民賛成の方向で世論をまとめてほしい。
 
 まず、学者、官僚、ジャーナリスト、経済人が移民開国で固まり、一丸となって国民の蒙を開き、時の内閣に決断を迫らなければ、日本の明日はない。政治の決断が遅れれば遅れるほど、日本の国力はいよいよ衰退し、日本再生の道はいっそう険しくなる。

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