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日本革命が必要

 16年前に書いた『入管戦記』という本の中で私は「人口減少時代の到来を契機として、日本人の生き方、日本国の民族的構成、社会経済制度などを根本から見直し、『新しい日本』に生まれ変わらなければならない」と、人口減社会に対応するための日本革命の必要性を強調した。しかし、その時からこの問題は一歩たりとも前に進んでいない。まったくもって私の力不足のせいである。「日本国の民族的構成」の問題、つまり移民受け入れ問題についてもっと早く解決のめどをつけ、政治革命・生活革命・産業革命などの問題に速やかに着手すべきであったと悔やまれる。

 重箱の隅をつくような小さいテーマと取り組むのが得意の専門家や研究者にとっては、政治制度改革などの問題は事が重大すぎてどこから手をつけたらよいのか皆目見当がつかない問題、いわば雲をつかむような話なのかもしれない。あるいはひ弱な日本のインテリは移民政策のときの対応と同じ態度――つまり人口ピラミッドの崩壊が国家の基本制度の全面崩壊に直結することに恐怖を感じ、これを見て見ぬふりをしているのかもしれない。
政府首脳、政府高官など政府当局者も、日本が直面する重大かつ緊急の問題に口を開くことは決してない。いつもの例に漏れず「さわらぬ神にたたりなし」を決め込んでいるのだろう。日本のパワーエリートたちの「座して日本の死を待つ」無責任きわまる態度に強い怒りを覚える。

 たとえば、霞が関の高官たちが国家制度の存続に危機感を持って組織のスリム化につとめることは決してない。それはわかりきった話だ。自分たちの縄張りを守ることしか頭にない官僚機構が自らの血を流す行政改革を行なうはずがない。国の統治機構の根幹にかかわる問題であるから政治家の覚醒を待つしかない。

 しかし、移民革命にすら消極的な姿勢の政治家が、人口減少社会に対応するための政治制度の大改革、たとえば①国会議員の定数を今の三分の二にまで減らし、有権者の数に比例する国会議員制度に改めること、②衆議院と参議院の二院制のあり方を根本的に見直すこと、③道州制の導入など中央集権体制を全面的に改めること等々、自らの身を削る制度改革に着手するとはとうてい考えられない。それどころか革命が嫌いな政治家が政治制度改革及び日本革命の抵抗勢力になる可能性が高いと私は見ている。

 もともと日本人は本物の革命をしたこのない民族である。革命が嫌いな政治家が横行闊歩する最悪のコースをたどった場合には、1000万人の移民を入れても3000万人の人口減が確実の2050年の日本は、巨大な国家制度が無用の長物と化してその残骸をさらしているだろう。無為無策の政治家が日本を奈落の底に沈めたと、50年後の日本国民が怒りを爆発させるだろう。