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日本文明が世界の存亡の危機を救う

17億のイスラム教徒を擁するイスラム文明との敵対関係が激化する一方の西洋文明の明日はないと予感する。また、コロナウイルス問題に端を発して露見した中国文明を敵対視する西洋文明の器量の狭さが白日の下にさらされた。それでは、異なる宗教と文明に寛容の精神で向き合う日本文明は西洋文明にとってかわる存在になれるのだろうか。あらゆる神々の間に甲乙はないとして寛容の心で宗教を受け入れる日本文明は、今日の世界が直面する最大の危機と言うべきキリスト教とイスラム教の宗教戦争に待ったをかけることができるのだろうか。偉大な中国文明と西洋文明の双方から多大の恩恵を受けた日本文明は両文明の間の橋渡し役を果たす力量があるのだろうか。

私は現代世界を比較文明論的立場から俯瞰し、普遍性にかげりが見られる西洋文明の終焉の日が近づき、これから世界は地殻変動の時代に入ると認識している。今後、世界の思想界において、世界の英知を結集し、新しい世界精神と世界秩序を模索する動きが出てくるだろう。その場合、西洋とは異質の精神文化と世界観がある日本文明が新世界文明の創造において重い責任を担う必要があると、私はかねがね主張している。

コロナウイルス問題が発生する数年前から、西欧社会で人種差別・宗教差別・移民排斥の考えが急速に広まりつつあった。米国のトランプ大統領を先頭に排外主義者たちが声高々に「移民はノー」と叫ぶ異様な光景が見られた。人種間、宗教間の対立が先鋭化し、歴史の歯車が狂ったとしかいいようがない状況が出現していた。コロナ問題が引き金となって核兵器を使用した第三次世界大戦が勃発する怖れがあると非常に心配している。

ヒトラーによるユダヤ人大量虐殺に代表される第二次世界大戦前夜の時代のように、エスノセントリズムのイデオロギー(自分たちの人種と宗教が一番すぐれているという考え)が世界を支配する時代へ世界史を逆行させてはならないと、私は世界の指導者に訴える。日本にとってもこれは決して他人事ではない。

欧米社会おいてコロナウイルス問題が拍車かける形で移民・難民問題が危険水域に突入したまさに今のタイミングで、世界の政治指導者の一人である安倍晋三首相が、「日本国民は人類共同体の理念の下に50年間で1000万人の移民を歓迎する」と、世界各国の人々に約束する時である。移民・難民の受け入れで何ら国際貢献をしなかった日本国民が移民開国を日本政府に迫る時である。坂中英徳が理論面と思想面でその先駆けをつとめる。