1. TOP
  2. 政策提言
  3. 日本国の消滅危機の責任を誰がとるのか

日本国の消滅危機の責任を誰がとるのか

移民国家議論が熱を帯びるようになったのに抗するかの如く、移民問題が政治の争点となるのを避けたい思惑がある政治家は、50年後の1億の人口目標を掲げる一方で、いまさらながら女性・高齢者・外国人労働者の活用と、ロボットの活用による生産性の向上を強調している。

しかし、それらの政策の本質は生産人口と生産力を増やすことが目的の経済政策であって、日本の存続がかかる少子化対策とは次元を異にする。たとえそれらの本筋からはずれた政策を総動員しても、年少人口の増加など人口問題の根本的解決には結びつかない。出生率の低迷が続く中、人口増と国民増に直結する移民政策を欠く人口減少対策はすべて失敗に終わると、私は確言してはばからない。

政府当局者に問いただしたい。この10年間政府が行なった人口減少対策の効果を検証してはどうか。その成果はほとんど見られず、人口問題はもはや手が付けられないほど深刻な段階にまで進んだのではないのか。

昨今の政治家は骨の髄まで移民が嫌いと見える。政治家が移民政策はとらないと言い続ければ国を亡ぼすことになるが、誰がその責任をとるのか。当代の政治家の中に、昔の古武士のように割腹して日本滅亡の責任をとるサムライがいないと思うと慨嘆に堪えない。

あるいは、政府首脳の間で移民政策は「万策尽きて最後に出す切り札」として温存するという暗黙の了解があるのかもしれない。しかし、仮にそんな空気が政界に蔓延しているとすれば、切羽詰った日本にそんな余裕はないと言わなければならない。それでは遅きに失し、日本は万事休すの最悪の事態に立ち至る。

世界の先頭を切って超少子化と超高齢化が同時進行する日本は、移民政策を喫緊の政治課題として取り上げ、移民政策論争の帰趨が明らかになったいま直ちに内閣総理大臣が移民立国の歴史的決断をしないと、消滅する地域社会が続出するばかりか、国家制度全体の崩壊危機のカウントダウンが始まると明言する。

無責任政治の極みがもたらす悲しい結末は200年後の日本国の消滅危機である。内閣総辞職や一億総ざんげで済まされる問題ではない。