日本人妻は北朝鮮帰国運動のいちばんの犠牲者

坂中提案

日本の生活体験があるコリアンたちにとっても北朝鮮の実態は予想外のものであったが、日本人妻たちは北朝鮮の正体が明らかになると、「まさかこんな国がこの世に存在するとは信じられない」というほどの衝撃を受けた。

北朝鮮に行くことを決めた時、日本人妻の誰もが「3年後に里帰りができる」と確言する朝鮮総連の約束を信じていた。しかし、日本人妻たちが「朝鮮総連にだまされた」と気づくのに3年の時間は必要なかった。入国して間もなく北朝鮮がどんな国であるかは説明されるまでもなく理解できた。自分たちが出国の自由のない囚われの身だということはすぐわかった。

「こういうことを言ったら命が危ない」ととっさに読み取り、監視社会をいかに生き延びるかを第一に考えて生活するしかなかった。そんな限界状況に追い込まれても、寝床に就く時には望郷の念と帰国への思いが脳裏に浮かんだという。

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