日本人は雑種系民族へ進化を遂げなければならない

坂中提案

「日本人は百年かけて純種系民族から雑種系民族へ進化を遂げなければならない」と、私はつとに主張している。移民二世のオバマ米大統領が2009年1月の就任直後、ホワイトハウスで飼っている犬の血統を記者から尋ねられて、「この犬は雑種。私も雑種」と述べたことを鮮明に記憶している。含蓄ある言葉に感動した。

生物の世界では純種よりも雑種のほうが生命力が強いとされる。森林生態学者によると、多種多様の木々がまじって共棲しているから、森林は天災地変に遇っても生き残った一つの種から再生できるのだそうだ。

人間の世界も同じである。多様な民族からなる社会のほうが単一の民族からなる社会よりも生存競争でも危機の時代を生き抜く生命力でも優れているのではないか。

1000年以上もの長いあいだ島国のなかでいわば血縁者同士の緊密な関係を結んで生きてきた日本人は、自然と島国根性のかたまりの人種になってしまった。今後も移民鎖国を続ければ、人類の一体化が進む世界の潮流に乗り遅れた日本民族は時代から取り残され、あたかも孤島に住む化石人間のような存在になってしまうおそれがある。

また、先祖代々の日本人が社会の成員のほぼ100%を占める単一民族社会は全会一致を旨とし、意外性やおもしろみに欠ける社会ではないか。ムラ社会の伝統が根強く残っている閉鎖社会では、異端者や外国人の出る幕はなく、彼らは肩身が狭い思いをしているのではないか。

いっぽう、移民立国で地球上の民族が勢ぞろいした多民族社会に転換すれば、それぞれの民族の持つ感性や発想が躍動する開放社会へ移行する。変わり者が大手を振って歩く時代を迎える。

移民国家に生まれ変わってバラエティーに富んだ民族が国民を構成することになれば、各民族の持つパワーが加わってたくましい国民に変貌する。

私は、パワーアップした日本国民が人類の夢である「人類共同体」をめざして行進する近未来に思いを致している。

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