日本人は異なる民族との結婚に寛容な民族だ

坂中提案

私は1977年に発表した「坂中論文」の「在日朝鮮人の処遇」の章において、在日韓国・朝鮮人と日本人の結婚が増える傾向にあること及び両者の間に生まれる子の増加に着目し、「在日朝鮮人は血縁的にも日本人との関係を深めてきており、このままの趨勢が続けば、数世代を経ないうちに在日朝鮮人の大半が日本人との血縁関係を有する者になことが予想される」と将来を展望した。

私は在日韓国・朝鮮人問題との関連において、在日韓国・朝鮮人と日本人との婚姻件数の推移及びこれと相関関係にある混血者の人口動向に注目してきた。在日韓国・朝鮮人と日本人との結婚の増加は両者の関係が緊密になったことの反映であり、その結婚から誕生した子(混血者)は両者の和解の象徴ともいうべき存在であるからだ。

戦後しばらくの間、日本人と在日韓国・朝鮮人は険悪な関係にあった。それを反映して両者の結婚もあまり見られなかった。

坂中論文以降を見ると、在日韓国・朝鮮人が日本人と結婚するケースは論文が予言した状況よりもさらに進行し、現在では約90%の人が日本人と結婚している。

多民族社会で各民族間の平和友好関係を確立するもっとも有効な方法のひとつは、異なる民族間で婚姻関係を数多く積み重ねてゆくこと、そして血縁関係を深めてゆくことだと私は考えている。

戦後の日本人と在日韓国・朝鮮人の関係に見られるように、異なる民族間の結婚が非常に高い頻度で行われ、両者の友好関係、血縁関係が急速に深まったという歴史的事実は、移民国家日本が多民族共生社会の実現を目指す場合のよき先例になるにちがいない。

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