日本人の友達がいる留学生は日本が好きになる

坂中提案

留学生受け入れ政策の力点を「量」から「質」へと転換してもらいたい。これからは数を目標とするのではなく、優秀な留学生が勉強に専心できる環境整備に重点を置くべきだ。

文部科学省の留学生に対する特別補助にしても、大学の経営者側を助けるような制度はやめて、留学生本人を助ける制度に変えるべきである。アルバイトでへとへとになるまで働くことを前提とするような留学生受け入れ制度は改めなければならない。

たとえば、国費留学生の割合をいまの一割から三割に引き上げること、留学生の居住の安定を図るため留学生宿舎を全国に500戸(2万人分)建てることを検討してはどうか。

また、法務省入国管理局は、「留学」の在留資格が「就労」の在留資格と化している現状を直視し、留学生に対し資格外活動を包括的に許可している運用を全面的に見直し、例外的かつ短時間に限って許可する本来の制度に戻すべきだ。

超少子化時代において世界の人材を日本に引き寄せるためにも、勉強に専念する意思を持つ留学生に、思う存分勉強してもらう環境を提供することが緊急の課題だ。

大学、短大、専門学校の経営者のなかには、少子化による日本人学生の激減を留学生で補って、経営危機を乗り切ろうと考えている向きが多いと思われる。

しかし、それはとんでもない考え違いだ。そのようなことを試みた大学、短大、専門学校はすべて不法就労など深刻な外国人問題に見舞われ、社会の批判を浴び、あげくの果て、日本人の学生からも完全に見放され、廃校、撤退を余儀なくされることになると警告しておく。

そもそも日本の若者からそっぽを向かれている教育機関が、勉学意欲のある外国人を受け入れ、適正な留学生教育を行うことなどできるはずもなかろう。

もし仮に、いまの留学生受け入れ態勢の下で、日本が少子化社会の大学の生き残りを図るため大量の留学生を受け入れる政策をとれば、出来の良い日本人は海外に留学し、日本の大学は出来の悪い日本人と外国人に占拠され、高等教育の荒廃が進むことになろう。

ここで指摘しておきたいことがある。それは、大学のキャンパスにおける日本人学生と外国人学生との関係についてである。どうも両者の関係はけっして友好的なものではなく、むしろ疎遠ともいえる関係にあるようだ。

知り合いの大学教授の話では、日本人と外国人が親しく付き合ったり、一緒に酒を飲んだり、議論を交わすというような光景はあまり見られないとのことである。留学生は留学生同士で固まっている。日本人の学生は日本人だけで集まっている。いまの日本人の学生は排外的ということはないにしても、昔の、留学生が少なかった時代の日本人以上に外国人に無関心で冷たい感じがする、というのがその教授の感想である。

多民族共生社会の樹立が課題となる移民時代の日本にとって、将来の日本を担う若者が留学生を敬遠している状況は憂慮すべき事態だと言わなければならない。日本人の学生の方から留学生に対し積極的に声をかけてほしい。多くの留学生と接した私の経験談を言えば、留学生は日本人と友達になりたいと願っている。一人でも日本人の友達がいる留学生は日本が好きになるはずだ。

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